公園で男女がすることといったら…副業しようとPC開いたら股開いてた話③
「ブス」
この仕事を始めて、1番最初に受け取ったメール。
一度も会ったことも顔も知られていない男性に仮にメール上でも、そんな言葉を投げかけられただけでグッと胸に来るものがある。
まぁ、ブス言われ遍歴でいえば幼い頃から学生時代までに、定期的に男性から言われてきたワケで。
その頃はネットなんて発達してなかったので直接、面と向かって言われるワケだが、ブスと言われた時の心の傷はアラフォーになった今でも、ぼんやりと脳の片隅に滞在しているワケで。
しかし、社会人になる頃には不思議と言われなくなる。
けど、それは男性のみならず人は皆「思ったことをすぐに口に出さず心に留めておく」というスキルを自然と身につけており、もし仮に目の前にブスい女性が現れたとしても「ブスだなー」なんて心の中で思いながら、笑顔で挨拶だけしてスルーできるワケで。
そんなの被害妄想だという人もいるだろう。
しかし、幼い頃からの「ブス」に言い返す気の強さと器用さもなく、ただただ素直に受け取って黙って下を向いてきた私にとっては、どうしても男性に対しての偏見は拭えないものがあるワケで…。
今でも男性と話すのは苦手なことのひとつなワケで…。その証拠に生まれてから今まで男友達と呼べる人など1人もいないワケで…。
北の国から的な始まりとなったが、この話はそんなノスタルジーで純朴な話ではなく、無知な主婦が副業をしようと思ってネット検索したらチャットレディという簡単に稼げるなどという超絶怪しい広告に乗り、男性経験が豊富でもないのに、性欲を満たしたいだけの男性相手にアレやコレやを何やかんやして小銭を稼いでいたという話なのだ。
ブスと言われてきた私はこの話の中で(この先の話でも)男性をディスることになるだろう。
もし、あなたが男性なら読まないことをお勧めする。
話は、戻るがチャットレディになって初めてもらったメールが「ブス」なのだが、それは私にも少なからず原因はあると思っている。
自分のチャットレディ「美咲」としてのプロフィール画面を、とあるモデルさんの後ろ姿にしたのだから。
※②話参照
そこは素直に、申し訳なかった。
前置きは長くなったが、チャットレディ美咲に届いたメール「ブス」の次に来たメールは「初めまして!」という、なんとも気持ちのいい挨拶メールであった。
ブスと罵られ、すでにチャトレを辞めようかと思っていた私は、それが白馬に乗った王子様(例えが昭和)からのメールに思えた。
チャットレディは、とにかく男性から直接反応を得ねばならない。その反応のひとつがメールなのだ。男性はチャトレに1通につき数十円(単価は在籍サイトによる)支払い送信するのだ。それが、チャトレの収入になる。
ちなみにチャトレがメール送信の際に、男性側に支払う金銭はない。その代わりに、どんなメールの内容でも返信する。メールが来なければ収入も得られないからだ。できるだけ、また返信したくなるようなメールを送り何往復ラリーできるかが重要になる。
ただ、どうしても無理な相手なら返信しなくてもいい。ちなみに一発目のメールの「ブス」送信男には返さなかった。数十円の収入で相殺してやろうではないか。
さて、白馬の王子様に返信をしなければ!
初めまして!の好感度100%から続く文はこうだった。
「デートに行くならどこがいいですか?」
爽やか過ぎんか王子様。結婚十数年。他の男性からそんなこと言われる機会があるわけもなく不覚にもキュンとしてしまった。
デ…デートて。初めましての次にデートて。
早すぎんか?と中学生のようなリアクションの私。
ある程度、男性経験がないとこの程度の会話でもときめいてしまう。当時の私に、鼻フックと往復ビンタをかまして目を覚まさせてあげたい。
もちろん、チャトレとして行うメールは架空の会話。現実に会うことはもちろんない。それは分かっている。
けど…デートて!!!
そこから初めてのメールのやり取りを行う私は完全に1人の色ボケBBAと化してしまった。
チャトレという仕事を忘れ王子とのメールをただただ楽しむ一部始終のやり取りは以下の通り。
王子様「初めまして!デートに行くならどこがいいですか?」
色ボケBBA「初めまして!メールありがとうございます!デートかぁ…公園とかいいですね!」
王子様「いいね!美咲ちゃんは、どんな格好でデートにきてくれる?」
色ボケBBA「ワンピースかなぁ」
王子様「ワンピース可愛い!時間帯は何時頃がいい?」
色ボケBBA「昼から行って、作ったお弁当食べたり、シート敷いてゴロゴロしたい!」
王子様「楽しそうだね!美咲ちゃんとデートしたい!楽しくてすぐに夕方になっちゃうよね!」
色ボケBBA「私もデートしたいです!たくさん話して遊びたいですね!楽しくて時間経つの早いだろうなぁ」
王子様「そうだね、すぐ暗くなっちゃいそう!夕方は公園て人が少なくなるよね」
色ボケBBA「そうですよね、夕方の公園も素敵ですよね!」
王子様「うん。夕方の人がいない公園ていいよね。そうなったら…何しようか?」
色ボケBBA「そうですね…人も少ないし!フリスビーしましょう!!!!」
……
「それ以降、王子様からメールが送られて来ることはありませんでした。何がいけなかったんでしょうか?公園デートと言えば、お弁当にフリスビーは定番ですよね?夕方だと薄暗くて上手くキャッチできないから昼間に誘うべかでしたか?あ、バドミントンの方が良かったのでしょうか?(30代 ペンネーム 色ボケBBA)」
おそらく当時の私に鼻フックと往復ビンタをかましても、全く響きそうもない。
失敗した…
そもそもチャットレディにメールをしてくるということは、下心や性的な興奮を求めている男性しかいない。
そんな男性に夕方の公園でフリスビーを誘ったところで、全く興奮しないのだ。
クソッ…初めてのメールに浮かれ過ぎた。
好感度の高いメールをもらい、白馬の王子様だと思っていた男性も実際は、スマホの向こうでティッシュ片手に全裸待機しているかもしれないお客様なのだ。
だとしたら、絶対にフリスビーではなかった。
こんなレベルからのスタートで大丈夫かと思いつつ
我に返る。まぁ、次に活かせばいい。
サイト登録男性は何万人といる。
次はどんなメールに対し、どんな言葉で返すか。興奮させるか。
日中もそんなことを考えながら、会社で本職のパソコンに向かっていた。
つづく(たぶん)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?