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小学校体育の現状

こんにちは。

【子供専門】の走りを速くするトレーナーはたチャンです。
教育委員会の運動アドバイザーや専門学校の講師などしております。

某市の体育へ外部指導員として、指導に行きました。そこでの気づきが皆様の指導の役に立てれば幸いです。

小学校体育の気づき
①体育ができると友達からの信頼が厚い(熱い)
②満遍なく体育ができる子供は習い事をしていないor複数している
③先生の指導力が顕著になる
④笛を吹きまくるクラスはまとまりがない
⑤男女の仲が良いと、体育の集中度が高い

①体育ができると友達から信頼される

 これは、すぐに感じました。クラスで発言権がある子供は、賢い子供でも家庭環境でもなく、運動が得意な子供でした。ここまであからさまに違うと、拍手喝采レベルです。運動が得意な子供がルールを決めているし、先生にルールを提案しているのも体育ができる子供でした。

 大人でも同じことが言えるのですが、提案できたり、フリーな場面で仕切れるのは圧倒的に有利な能力です。まさか、そのきっかけがここにあるとは思いもしませんでした。
 私が「今からキャッチボールをします」と全員が集合している時に声をかけて、「上投げでも良いですか?」「ペアは誰でも良いですか?」と質問する子供はみんな運動が得意でした。

体育の授業中に発言を躊躇いなくできるということは、自己肯定感も高い?

 という仮説がここで生まれました。そこで、この子供たちについて周りの子供や先生に幾つか質問をしました。

「普段の授業ではどうなのか?」「発言する子供は友達が多いのか?」
どちらも「YES」でした。

 つまり、普段から自分の意見を主張できるということがわかりました。

 よく、授業中に発表を求める先生や参観日に発表することを喜ぶ親がいます。しかし、その行動の要因は自己肯定感にあります。
 ここでもう一つの仮説が生まれます。

教室の授業中に発表できる子供は、運動もスキor得意なのか?

 先程の仮説の逆で、教室→体育での行動変容を考えてみました。そして、同じく子供たちや先生に質問をしてみると、面白いことがわかりました。

 教室の授業で発言するからといって、体育で発言したり積極的な言動を取るとは限りませんでした。

○体育ができる→教室でも積極的
×教室授業で発言する→体育は積極的とは限らない

ということから、体育の授業で活躍できるということは自己肯定感も高く、ゆえに意思を表明する子供になるとわかりました。

②体育ができる子供の習い事事情

 今回、新体力テストの計測や記録アップが主な指導内容でしたが、数値が高い子供に話を聞くようにしていました。
 その特徴がこちら

・運動系の習い事をしていない
・複数の運動の習い事をしている

 このどちらかであることがわかりました。

 まず、運動系の習い事をしていない子どものポイントとして、よく友達と公園で遊んでいると話してくれました。習い事をしていないため、夕方はほとんど公園で遊んでいると答えた子供たちは、数値も高い傾向にありました。ちなみに、「何をして遊ぶのか?」の質問に対しては、「ボールや縄跳びや遊具や鬼ごっこ」ということでした。ふむ。なるほど。とても理にかなったいます。いろんな動きをする以上にベストなことはありません!

 また、塾や英語を習っていて運動の習い事をしていない子供の運動能力は致命的な傾向にありました。決して全員ではないのですが、高確率で数値も平均以下でした。そのため、友達に強い言い方をされていたり、体育中の積極的な言動はほぼみられませんでした。


③体育は先生の指導力が顕著になる

④笛を吹きまくるクラスはまとまりがない

 これは、現場の先生も実感されていたようです。私は、体育科の教員ですので視点が寄っているのは承知していますが、体育の授業で良い先生は高確率でクラスが安定しており、他の先生からの信頼も厚いことがよく分かりました。

 体育では、開放的になることもあってか子供を教室での授業以上に率いるのはものすごく難しいのです。

 私は、屋外での指導ばかりなので、座学はものすごく楽です。なぜなら視界の中に全員を捉えることができるからです。

 体育の授業で感じた詳細ポイントは次回お伝えしますが、ざっくりまとめると以下のようになります。

・笛を多様しない
・集合は座らせる or  立ったまま を使い分ける
・声の抑揚
・説明は端的に
・ティーチング、コーチング、キューイングのタイミング

 この5つは必須です。この5つができるかが体育の授業力や、私たちのコーチとしての力量に直結します。

 黒板を使わないため、準備をしていた流れもほとんど崩壊しますので、本物の指導力と応用力がかなり求められます。

⑤男女の仲が良いと、体育の集中度が高い

 これは先生たちも意外だったようです。特に思春期という難しい時期である高学年のクラスの雰囲気の最大要因かもしれないのが「男女の仲」なのです。
 特に性差として男性より女性の方が、思春期は早い傾向(平均2歳差)があるため、四年生と五年生はとても難しいのです。女子児童が男子児童をどう意識させるのかがとても大事なのです。
 男子児童が幼いことをしている場合に先生が出ていくと、親と子供のような構図になるため、女子児童は冷ややかに見ていることが多く、先生を客観的にみてしまうことで女子児童とのギャップがあくことがよくあります。

 女子からの目が気になる年頃だからこそ、うまく年齢の特性を生かすこともとても重要です!


まとめ

 今回は、複数の小学校の一年生から五年生までを担当しました。子供の声も先生の声もかなりリアルでした。もちろん教師の多忙感はあるのだろうけども、一方で本職の指導での課題も客観的に明確にわかりました。

 私は指導だけで食べているので、先生たちの指導力の悩みを改善してあげたいと思いますし、子供たちの最大の環境である家庭環境へもアプローチしたいと思いました。

 子供たちを取り巻く環境は変わっているのですが、本質的なところは昔から何も変わっておらず、結局のところ周りから認められたいんです。あ、大人も同じですね。
 子供が友達や先生から認められるのは体育が1番です。もちろん、褒められるような場を用意するのは大人(保護者と先生)の役割ですが、運動ができるようになるには普段の過ごし方と授業力がとても大事です。

 晴れている時には、少しでも体を動かしましょう。現代では夏場の気温はかなり危険です。例えば、夕方であったり雨の日に遊ぶのも一つの方法としてはおすすめです。水溜りで水しぶきを上げるように入ると地面をしっかり捉えてジャンプや走る練習にもなります。汚れるのは洗えば終わりですが、運動する機会は何にも変えられず、頻度だけが唯一の解決策です。

 私自身も、子供たちにとって良い環境でいられるように指導したいと思います。

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代表  畠中秀聡
(元保健体育教師、スポーツトレーナー、必ず足を速くします)

代表を務める「JNAC.lab」は、兵庫県宝塚で開講中の小学生向け教室です。
特定の競技ではなく、子供たちの運動神経を高めることだけを目的にします。
また日本初の環境保全活動をするスポーツ団体です。

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