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メタバースを売る店舗

こんにちは、コーイチです。
今回は、Meta(旧Facebook)が、メタバースビジネスを売り込むために、5月初旬にオープンした「Meta Store」を見ていき、今後日本にも同様の店舗が出店されるのか、また、Appleの店舗のように、増えていくのか考えたいと思います。

1.Meta Store

(出典:Engadget youtubeより)

 同社初の実店舗は、カリフォルニア州バーリンゲーム、「Meta」の研究施設Reality Labsの近くにオープンしました。
 店舗は1,550平方フィート(約144平方メートル)と体験スペースとしては小さめですが、「Meta Store」ではラボで取り組んでいる最新のメタバース体験にも触れてもらう予定で、そのようなテストも兼ねたデモからの反応やフィードバックをユーザー体験を中核に据え、開発に活かしていくとのことです。また、「Meta Store」での学びを今後の小売り戦略の判断に役立てる狙いがあります。

 「Meta Store」では、「Meta」が展開する全てのハードウェアを体験でき、「Meta」の3つのメタバース製品、スマートビデオチャット機器Portal」、スマートグラス「Ray-Ban Stories」、バーチャルリアリティ・ヘッドセット「Meta Quest2」を試したり、購入したりすることができます。
 店内にあるタブレットには、Caseyと名乗るフレンドリーなスタッフが現れ、Portalで体験できることすべてを1つずつ丁寧に教えてくれ、スマートカメラについて説明してくれます。
 自分のスマートフォンを取り出し、Caseyとビデオ通話する動画を撮影もできます。
 Meta Quest 2はハードウェアやアクセサリーのほか、多くのコンテンツを用意しており、「Beat Saber」「GOLF+」「Real VR Fishing」「Supernatural」などのゲームを壁一面の曲面LEDスクリーンとともに体験できるようになっており、デモ体験の様子を30秒間のクリップとして共有することもできます。
 また、「Ray-Ban Stories」を装着して、自分に最適なスタイルや色を確認したり、店内にあるスマートグラスの技術を使って、写真をいくつか撮ることもできます。
 しかし、商品は店舗で購入することはできず、「Ray-Ban.com」からのみ直接注文できるとのことです。
 
 Metaの店舗責任者であるマーティン・ジラード氏は、「一度この技術を体験すれば、より深く理解してもらえるだろう。我々が正しい仕事をしたなら、人々は店舗を出たあと、友人に『Meta Storeを見に行かなきゃ』 と言うはずだ」。と述べています。

2.メタバースとは

(出典:Meta youtubeより)
*「Meta」が考えるメタバースの世界観です。動画は長いので、時間があればどうぞ。

 メタバースとは、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスを指します。
将来インターネット環境が到達するであろうコンセプトで、利用者はオンライン上に構築された3DCGの仮想空間に世界中から思い思いのアバターと呼ばれる自分の分身で参加し、相互にコミュニケートしながら買い物やサービス内での商品の制作・販売といった経済活動を行なったり、そこをもう一つの「現実」として新たな生活を送ったりすることが想定されています。

 英語のメタバース(metaverse)とは、「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、もともとはSF作家のニール・スティーヴンスンが1992年に発表したサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』に登場する架空の仮想空間サービスの名称でしたが、その後、テクノロジーの進化によって実際にさまざまな仮想空間サービスが登場すると、それらの総称や仮想空間自体の名称として主に英語圏で用いられるようになりました。
 実際には、「Meta」のVRゲームへの投資、「Snap」のARショッピングへの注力、「Roblox」のユーザー生成ビデオゲーム、「Epic Games」のFortniteやあつまれ どうぶつの森などの人気化したゲームなど、あらゆるものがメタバースと呼ばれています。

3.メタバースの可能性

(出典:UploadVR youtubeより)

 メタバースは単なる仮想現実ではなく、またVRとARだけでなく、PC、モバイル、ゲーム機にもすべてにアクセス可能なマルチプラットフォームになる可能性を秘めています。 
 人々が気になる人々、一緒に働く人々、自分がなりたい場所で、なりたい存在になれる、そんな体験をすることができるようになります。
 また、メタバースは、個々のクリエイターやアーティストに大きなチャンスをもたらす可能性があり、都心から遠く離れた場所に家を持って働きたい人や教育や遊びの場が限られている過疎地域のような場所に住んでいる人々にもメタバースは平等な機会やビジネスチャンスを与える可能性があります。
 リアルな事業を、メタバース内で新規事業として展開する事例が多く見られます。
 例えば、参加料で収益化するバーチャルイベントやバーチャル展示会、バーチャル観光などや、海外の大手自動車会社は、仮想空間内で自社の車両を試乗できるサービスを展開しています。自動車や不動産などの高単価商材は、顧客への体験が成約率に直結します。そのため、仮想空間で気軽に体験ができるのは事業者と顧客双方にとってメリットがあると言えます。
 また、オフィスのデザイン会社や内装業者、家具の製造販売などフィジカルな工事や納品作業がデジタルデータの受け渡しで完了してしまう日も近いかもしれません。
 最終的には何百万人もの人々がアバターの衣装や内装デザインなどのデジタルコンテンツの制作で、生活の糧にしていくような世界観になっていくのではないでしょうか。

 メタバースは私たちは同じ場所にいるという感覚が持てるのが特徴で、ある部屋にいて、あなたが私の右に座っているなら、それは私もあなたの左に座っているということを意味する空間的な感覚を体感することができます。 よって、自分自身が望む場所に住みながら、さまざまなビジネスコミュニティに属することもできるようになります。
 また、メタバースに政府が公共スペースを作り出す事例もあり、例えば図書館や博物館など、より多くの国民に情報や体験価値を安価に届けることが可能になります。

 NFTと言われるノンファンジブル・トークン(NonFungible Token)の登場により、唯一無二のデジタルアイテムの保証が可能となり、仮想空間内で利用するアバター、建物、美術品などのデジタルアイテムの売買、デジタルコンテンツの利用や流通が可能となったことで、今後はより活性化していくと考えられています。
 今後は、現実世界ではなく、メタバース上に暮らし、お金を稼ぐ人が多数生まれてくると思われます。

4.最後に

(出典:CNET youtubeより)

 「Facebook」は2021年11月、メタバースにどれだけ真剣に取り組むかを示すため、自社のブランドを「Meta」に変更しました。
 「Meta」は店舗をオープンし、Appleが成功させた道をたどろうとしています。現在、Googleやサムスンもこのアプローチを試しています。
 しかし、メタバースのビジョンを実現する上で、同社は厳しい状況に置かれていると言われています。
 スマートグラスやVRヘッドセットなどの製品は、スマートフォンやノートPCほど普及していませんし、「Facebook」は世界最大規模のソーシャルネットワークとして広く知られていますが、コンシューマー向けハードウェアを開発していることさえ知らない人もいるかもしれません。
 「Meta」は、より多くの人々がこれらのデバイスを店舗で試用する中で、なぜメタバースがモバイルインターネットの後を継ぐものだと考えているかを理解できるようにしたいと考えているようです。
 2021年にMeta Quest関連の売り上げが一時Xboxを上回るなど「Meta」のデバイスは着実にユーザーを増やしており、リテール強化によってハードウェア事業の成長の加速を狙っています。
 今後、「Meta」が成長していくためには、「Meta Store」のような体験できる実店舗が必要不可欠なのかもしれません。
 近い将来、日本にも「Meta Store」が出来るかもしれませんね。

補足

(出典:Alux.com youtubeより)

 メタバースが目指している究極的なゴールというのは、可能な限り現実に近い仮想空間を再現することかと思います。
 現在のメタバースでは人間の五感のうち「視覚」、「聴覚」と一部の「触覚」しか取り込めていませんが、将来的には技術の進歩とともに人間の「触覚」をメタバースに織り込んでいく取り組みは進んでいくかと思われます。
 そして、その先には「味覚」や「嗅覚」さえもメタバースに取り込む世界が待っている可能性があります。
 仮にそれらが可能になれば、メタバースは限りなく現実世界に近づき、それによって現実と仮想空間の境界はますます曖昧になるかと思います。
 その結果、現実のような仮想空間と仮想空間のような現実が併存する新たな世界が誕生するかもしれません。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。          
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