マチネの終わりに
久しぶりに小説が読みたいと思い、確かピースの又吉さんが(違ったらごめんなさい。)おすすめしていた「マチネの終わりに」を買ってみた。
クラシック・ギタリスト蒔野とジャーナリスト小峰40代2人の恋愛を描いた物語。
社会的には一見成功しているような2人だが、「恋愛」においては大人になるほど難しいということを、改めて思い知らされる。
よく”出会う順番が違った”などというが、そう気付いたところで簡単には動けない。好きだから一緒にいる。他の人にもっといい人がいればそちらへ乗り換える。20代中頃までならそうやって自分に素直に動くことができたはずなのに。
結婚や妊娠、周りの声だんだんと歳を重ねるにつれて、余計なことを気にし始めて我慢や妥協を覚えた。この人と長く一緒にいるのは先々息が詰まるかもしれない。そう予感しながらも、”別れる”という選択肢を簡単にとることができなくなってしまった私は大人になったということなのだろう。
未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。
この先、結婚するのか妊娠できるのか一人でいるのかはわからないけど、どの選択をとったとしても、きっと、その選択が”間違いじゃなかった”と正当化していくのだろう。
「過去は変わるもの」
無意識に思い出を過剰に美化したり、嫌悪を増強させたりすることがある。
そんな時に、この小説をふと思い出すようにしたいと思った。
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