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「失敗の捉え方」に出会う。UQホールディングス 岩尾 憲一郎 × BASE CAMP

人生の中で、失敗したと思う時。
辛かった、苦しかったと思う時。
そう聞かれると思い出すのは、いつのことだろうか。

株式会社UQホールディングス代表の岩尾憲一郎さんは、これまで、病気、非行、少年院への入所などさまざまな経験をしてきた。

そんな彼が、過去や自身の人生選択を振り返り、いま高校生に届けたいメッセージとは。

今回は、2021年8月17日に開催された、高校生向けオンラインスクール「HASSYADAI BASE CAMP」(*1)でのコラボイベントの様子をお届けする。

(*1)HASSYADAI BASE CAMPとは?
ハッシャダイスクールオンラインのメイン事業である「BASE CAMP」は、ハッシャダイソーシャルに関わったことがある高校生たちが、新しい仲間や大人と出会いながら、自分の人生をデザインしていく場所です。

▽UQホールディングスさんの紹介動画はこちら!

BASE CAMPプロジェクト責任者 /石川拓海(以下 石川):
はい。今日は、ハッシャダイソーシャルの活動を普段から応援してくださっているUQホールディングス代表の岩尾さんをお呼びしています。岩尾さん、どうぞ宜しくお願いします!

岩尾さん:
今日は短いですけど、みなさん色々お話しましょう!よろしくお願いいたします~!

HASSYADAI social代表理事 / 勝山恵一(以下:勝山):
岩尾さん、よろしくお願いします!!!岩尾さんは、いま、福祉の分野を中心、若い方々から高齢者の方まで、さまざまな方々をサポートする仕事をされています。

そんな岩尾さんのお話から、新しい生き方や働き方があることを知ってほしいなと思います。そして、ぜひみなさんの人生のヒントにしていただけたらいいな~と思ってます!

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すこし緊張の空気の中はじまった、BASE CAMPとサポーター企業さまの初コラボイベント。まずは、いつもの元気な声で、代表理事の勝山が、岩尾さんとの出会いや岩尾さんのお仕事について説明しました。

石川:
は~い、恵ちゃん、ありがとう!それでは、早速、岩尾さんの人生について書かれたライフチャートの話にまいりましょう!


ただ、負けず嫌いだった10代。たった1つの居場所から、非行・施設へ。

石川:
もう、見るからに、山も谷もいっぱいあると思うのですが.....!(笑)幼いころの岩尾さんって、どんな感じだったんですか。

岩尾さん:
クラスにひとりぐらい居そうな、ひ弱な生徒。そんなタイプだったんで、よく学校も休みがちで、とにかく落ち着きがなかったですね。

石川:
ええ....!今の岩尾さんからすると、それはすごく意外でした。そこから「入学早々、先輩から目を付けられ、殴られる」....いや、そんなことって現実で本当にあるんですか...!(笑)

岩尾さん:
時代もあると思いますが、中学生になったら、突然タテの社会になって。僕、生意気だったんで、入学早々、先輩に呼び出されましたね。

勝山:
そうやって「いじめ」がある環境って、生まれた地域も関係してるんですかね....?たまたまヤンチャしてる子が多かった、みたいな。

岩尾さん:
そうですね〜。僕らの時代、そして僕がいた場所では、「ヤンキーになる」くらいしか目立つ方法がなかったんで。

石川:
そこから、「市外のヤンキーとつるみ、家出や窃盗......」などと、中学校に入ってから急に行動が変化したように見えたのですが、この変化は何だったのでしょうか。

岩尾さん:
僕は、ただ負けず嫌いで。「何かで、一番になりたかった」だけだったと思います。それが、勉強や部活、バイトなどではなく、非行だった。

いや〜。今考えると、やばい世界なんですけど。ヤンキーの中で大切にしていた価値観みたいなのがあったんですよね。例えば「悪いことをしてる人の方が、えらい」みたいな。

それで、僕は、「先輩たちよりも悪くなってやろう」と思って、中学校に入ってどんどん行動が、変わっていきましたね。

石川:
じぶんのエネルギーを発揮する場が、非行だった。そうなったのは、やっぱりコミュニティが狭かったからなんですかね。

岩尾さん:
そうですね。当時の僕は、コミュニティも、価値観も狭かったですね。次第に、学校や地域など、他のコミュニティからも相手にされなくなってきて。

そうすると、また自分が所属していた、たった1つのコミュニティにのめり込んで....と。結構、孤独でしたね。

石川:
なるほど。ライフチャートを見ていくとと、10代の頃、パワーワードのオンパレードなんですけど!!ちょっとこれ、どういうことなんですか、岩尾さん!(笑)

勝山:
ここまで壮絶な10代を歩んでこられた方のライフチャートは、初めて見たかもしれないです...!(笑)ここから、今のお仕事に繋がったのか、めちゃくちゃ気になりますね。

石川:
そうそう。そんな岩尾さんが、なぜ今、介護の仕事を選んだのか。表に立つ社長の仕事をするという決断をしたのか。ここから、詳しく聞いていきたいなと思います。

「介護」に出会ったあの日。人生を、自分で選び直すと決めた20代。

石川:
「ハタチの時に、少年院での成人式で代表をした」という時期に、介護の仕事をスタートされていますね。これは、ご自身の中でどういう変化が起こったんですか....?

岩尾さん:
この時は、もう守るものが全部なくなっちゃってたんですよね。居場所も、仲間も。あと、プライドとかも。

夢も希望も全くなかった20歳の時、たまたま少年院で介護を学ぶ機会があったんですよ。そこで、僕の中で雷が落ちたような感覚があって。

はじめて「今までとちがう環境に身を置きたいな」って思えたんです。この時がなかったら、確実にいまの僕はいないですね。

石川:
介護のお仕事には、たまたま出会ったんですね。

岩尾さん:
そうです。10代の頃は、自分のことばかり考えていて、色々な人に迷惑かけてきた。だから、これからは人の為になることやってみよう、と。はじまりはそんな安易な考えからだったんですよ。

石川:
そうなんですね。
そこから.....お.....!グラフが一気にあがってますね!

岩尾さん:
そうです、そうです。

石川:
21歳からの「介護の現場だけは、努力してきた」。これは、具体的にどういうことですか。

岩尾さん:
色々な介護施設で仕事をしながらも、資格を取るために、独学で学びはじめたんです。

現場にいる人は、だれでも「介護のプロ」として見られること。
知識がなければ、目の前にいる人の命を救えないこと。

僕は、介護に関する資格は一つも持たずに入ったんですが、実際に働きだして、そんなことに気づいたんですよね。

10代の頃は、まともに勉強もしてこなかったけど、ここではじめて「学ぶ必要がある」と、感じたんです。

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「介護の仕事の中で、出会った仲間や環境によって考え方が大きく変わった」とお話しする岩尾さん。

石川:
なるほど。岩尾さんは、社会と学びが自分の中で結びついた時に、勉強に火がついたんですね。

ただ、「自分を変えたい」「勉強しなきゃ」と思っていても、実際に「やりきった!努力し尽くした!」って言いきれる人って、なかなか居ないと思ってて。

岩尾さんは、10代の頃の自分とこの時の自分では、何が違ったんですか?

岩尾さん:
覚悟も、環境も、方法も、すべて違ったんだと思います。この頃、もう一回、本気で自分の人生を選び直そうと思ったんで。

そこで、口だけだとカッコ悪いし。とにかく、「じぶんはこうやって生きる」という軸だけは決めて、努力してきましたね。

石川:
いや〜。胸を張って「やりきった!」って言える経験は、未来のじぶんのエネルギーになると僕も思います。

岩尾さん:
そうですね。いま高校生のみなさんは、なかなか自分の20代・30代って、想像しにくいと思うんです。でも、僕が言えるのは、今頑張っていることがこれからに活きていく、ということですね。

30代。何度失敗しても、岩尾さんがチャレンジし続ける理由。

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石川:
そこから「30歳の時に起業された」ということで。なぜ、ひとりの職員から会社を作る、社長になるという選択をされたんですか。

岩尾さん:
人生は、1回きり。だからこそ、自分のやりたいことを、やりたかったんです。失敗することを恐れるより、自分の好きな仕事をやる方がいいなって。

石川:
なるほど。一度起業されてからも、また新しい会社を作ったり、新しい資格をとったり....とチャレンジし続けられてると思うんですが、この中で、失敗したこととかもあるんですか!?

岩尾さん:
もちろん!毎日過ごす中で、大きな失敗も、小さな失敗も、沢山ありますよ。ライフチャートには、全部上手くいってるように見えますけど。

会社を回すときにお金がなくなるとか、人が辞めちゃうとか。いろんな思いを、してきたんですけども。でも、一度失敗して、そこで諦めて辞めちゃってたら、今ここに、自分はいないですし。

石川:
そうやって失敗があっても、挑戦し続けられるモチベーションはどこから来ているのでしょうか。

岩尾さん:
僕自身、何度も失敗から学んだ経験があるからだと思います。いろんな失敗しても諦めない限り、全部人生の糧になると思うんです。あとは、やっぱり仕事が好きだからだと思います(笑)

石川:
ありがとうございます!岩尾さんは、元々すごく芯があって、過去からうなぎのぼりで成功し続けているように見えてた人もいると思います。

でも、今日、「今までの失敗とこれからチャレンジしたいことって、関係ない。」ということを、人生のお話から伝えていただけたな〜と思いました!

けいちゃんは、どうかな。

勝山:
僕自身も、今まで色々な失敗や後悔があるんですが、その事実は取り消すことはできない。だけど、いま、どういう生き方をして、どういう思いで、自分のこの命を使っているのかによって、過去の解釈が変わるんじゃないかな〜って、改めて思いました!岩尾さん、ありがとうございました!!!

石川:
最後に、岩尾さんも、参加してくれてる高校生に何かメッセージをいただいても宜しいですか...!

岩尾さん:
はい。みなさん、今日は、ありがとうございました!!!

「若さ」って、本当に財産だなって思います。僕もみなさんと同じ10代を乗り越えて、20代、30代、そして今があります。僕はいま44歳ですけど、20代の頃と変わらず、夢もやりたいこともいっぱいあります。

いつになっても、「失敗したら人生終わりだ」なんてことはないので、皆さんもぜひ自分の生き方を貫いて欲しいなと思います。お互い、頑張りましょう!

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イベント後も、参加高校生一人ひとりの相談に、真摯に向き合ってくださった岩尾さん。

参加高校生の声

自信の裏には、たくさんの努力が含まれていて、自分もさらに努力しようと思えました。これから自分ができると思った以上に努力するよう背中を押してもらえた気がしました。

あの時こうしてたから今の自分がいて、あの時のあれをしていなかったら今の自分はいない。って言えることってすごく素敵なことだなと思いました。私もいつかそう言えるように毎日が人生を変えるチャンスだと思いながら過ごしていきたいです。

岩尾さんは本当にありのままの自分で生きてていて、思いを言葉にしてるのがすごくいいなと思いました。また、やろうと思ったことをやり抜く力がすごいなと思いました。私も今日自分が本当にやりたいことを書いてみました。これからも頑張ります!

岩尾さんがご自分の経験・体験を元に、私たちにも役立つことを丁寧にお話してくださっていてとても有意義な時間を過ごせたと感じました。また、最後の質問の時間に質問していた方にも、岩尾さんご自身が質問して''対話''していて、一人ひとりに真摯に向き合ってくださっているんだなと思いました。ありがとうございました。

編集後記

「失敗を恐れないで、挑戦すること。」

その方が良いことなんて、なんとなく分かってる。だけど、そこから行動する時に臆病になってしまうのは、やっぱり自分の選択がこれでいいのか、と心配になってしまうからだと思う。

そんな時は、岩尾さんの言葉に後押ししてもらおうと、自然と勇気が湧いてくるような時間だった。

「あの時のじぶんが居てよかった!」
岩尾さんのように、胸をはってそう言える日まで、一歩ずつ今を積み重ねていこうと思う。

改めて、今回ご協力いただいた岩尾さん、秘書の鳥井さん。
素敵な時間を、ありがとうございました。

HASSYADAI BASE CAMPでは、今後も、全ての若者に、自分や仲間を信頼できる場やたくさんの出会いを届けていきます。

引き続き、よろしくお願いします!

<編集・執筆=ハッシャダイソーシャル広報PR・木村りさ

全ての若者に教育の機会を届け続ける活動に使わせていただきます。皆さんのご協力をお待ちしております!