アッポッジョは一定の圧力が大切です。声門への気圧が強くなったり弱くなったりしないように維持する呼吸管理が重要です。吸気後の発声時に、吸気筋の緊張を残しておくと良いです。
支えのある声で歌うときは、息を吸ったときの背中と脇腹の広がり及び胸郭の持ち上がりを維持しながら歌うと良いです。"通常の筋肉"と”元に戻ろうとする筋肉”の闘争状態が声の支えになります。
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声の闘争を活用して歌う場合は、力をチャージすることが重要です。力をチャージして、チャージされた力を解放せずに歌うと良いです。力の解放は響きの拡散につながるため、支えのある声を出すときは”出さない力”で出す必要があります。
支えは声を出す筋肉と息を止める筋肉を利用すると良いです。また、声を出し続けることと止め続ける感覚も必要です。走り続けると点灯する自転車のランプのように、継続した呼吸管理が支えを作ります。歌うときは”支える”というよりも”支え続ける”という継続力が重要です。
心を込めて歌う練習をするときは、息がもれている場合が多いです。息をもらしながら歌うことは支えを失いやすく、歌唱表現と発声技術が一致しません。支えを意識して歌うためには、無感情・無感動・無心で練習する過程が必要になります。いつでも心を込めれば良いというわけではありません。
レッスンでは声帯と仮声帯についてビニール袋で例えて説明しています。圧力を維持することが声の響きや声の高さにつながります。
(歌声と我慢) 声の闘争やアッポッジョの感覚は、ネガティブな感情の発露の我慢だと感じる。人生の悔しさや悲しさが喉頭に我慢を作ると思う。そのまま出しては魅力的な声にはならない。喉頭で我慢するから声の響きや輝きは増幅する。良い歌声とは喉頭の我慢だと思う。
高い声は憎しみを我慢する声で練習すると良いです。あるいはネガティブな感情を成仏させるつもりで潰すことが大切です。憎しみを打ち消すために解放することなく、押し潰すようなその場にとどまるための耐える力が必要になります。高い声を息で流そうとすると成長の余地の無い声になってしまいます。
【支えのある発声で歌うための練習案】 1 息を素早く吸う(つかみ取る感覚) 2 息を止める(背中や脇腹の外向きの緊張で維持) 3 2の維持した緊張を保ちながら声を出す(最少の息を声に変換する) 1~3の手順で練習を繰り返すと良いです。最少の呼気をゆっくり丁寧に扱うことが大切です。
支えのある声で歌うときは、普段Lサイズの服を着る人がMサイズの服を着る感じで声を出すと良いです。全身に適度な”圧”を感じつつ、その”圧”をはね返すと良いです。
(本の補足) 51と49の闘争では49が圧力に変わり、残りの2が出ているとイメージすると良いです。出ている息の量は予想以上に少ないです。51出している感覚で2だけ出す制御が重要です。出すテクニックよりも出さないテクニックが良い声につながります。
歌唱時は常に吐き気を我慢するようにして声を出すと良いです。
アッポッジョのある声で歌っている最中は時間が止まっている感覚があると良いです。あるいは息が止まっているような感覚も必要です。
発声で大切なことは、普通の状態で歌うということです。計算で作られた普通が重要です。前に向かう力と留まる力の闘争で、この普通を実現すると良いです。
呼吸法の練習よりも声門を閉じる練習を行った方が効果的です。発声時の息の扱いは、流すことよりも止めることが重要です。レガートに流れるような歌唱は、優れた止めの技術の結果です。
発声の基礎は流さないで止めることです。発声の基礎は息を止めて声を出すように練習すると良いです。”開く”や”流れるように”などは発声の結果的な感覚であり、この感覚を基礎にしてしまうとすべて間違えます。発声は答えよりも途中の式が大切です。
支えのある声を出すときは息の消耗を最低限に抑える必要があります。そのため”閉じる”ことが重要になります。閉じることで最少の呼気を出す状態にし、その維持とともに声を出すことが大切です。声は”息”よりも”息の止め”に多くの技術が必要になります。息が声になるという発想は少し間違いです。
良い歌声は「息」が全てを作り出すわけではありません。息に期待しすぎると多くを失います。安定して声を出しているときは息を止めている感覚が必要なりますが、息で表現しようとすると支えの基礎が流れてしまうため、言葉の表現と声の技術が一致しなくなります。息よりも息による圧力の方が重要です。
発声は少ない呼吸で済むように鍛えると良いです。息の量を求めるよりも効率的な消費を目指し、息の圧力の加減で声を制御することが大切です。”息は使うが、息を出す必要は無い”という感覚を持つと良いです。
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情緒で高い声は出ません。情緒がもたらす筋肉の緊張で高い声を出すと良いです。攻撃的な情緒がもたらす戦闘態勢の筋肉が重要です。情緒が声になるのではなく、情緒が筋肉に影響を与えて声になるということです。
アッポッジョと声の闘争は常にセットです。 「川」と「流れ」がセットなのと同じです。流れの無い川は、沼・池・水たまりになります。
『声』は力が声を作り、その力が方向を決めて安定して飛ぶことになります。脱力は最適なバランスによる結果の状態です。全身で力を分かち合うので楽に感じる、そのため脱力(リラックス)という感覚になります。力を抜けば良い声になるわけではありません。
声の闘争の圧縮は「出す力」と「出さない力」による支え合いです。ホースで水をまく時、そのまま水を出すと地面に落ちるだけですが、出口を圧縮すると明確な方向性を持って水は飛びます。声の闘争の無い歌唱は、声が足元に落ちるか周囲に散らばる結果(そば鳴り)になります。力自体が道を作ります。
お腹の横は適度に広げたままにすると良いです。腹斜筋は肋間筋とくっついているのでお腹の横を使う際は、肋骨全体(胸郭)も少し持ち上げることが大切です。発声は筋肉を単体で考えない方がいいです。筋肉と筋肉の連携で最適な呼吸を行い、その呼吸を発声に生かすと良いです。
発声時の力は「支え」というよりも「支え合い」が大切です。双方向からの圧力が必要になります。風船を水に沈めるとはね返ってきますが、このはね返りを押さえつける感覚が必要です。
発声では、広げたA4の紙を丸く握って出来るだけ小さくする圧力が必要です。広がろうとする紙を包み込むように圧縮して小さくする感覚で声を出すと良いです。声は小さく圧縮すると、強く大きい声になります。最初から大きく出そうとすると声は広がってしまい、響きの散った弱い声になります。
支えのある声を出すときは、ところてんを押し出すときや筒状の水鉄砲を撃つときのように、圧縮しながら出すと良いです。圧力の連続的な利用が重要であり、圧力を逃がす隙間が多いと芯の無い飛ばない声になります。
アッポッジョのある声で歌うときは最少呼気による発声が良いです。呼気を最少にするものが声の闘争です。息を止めている、あるいは非常にゆっくり息を出している感覚が支えのある歌声には必要です。
”声の支え”は吸気筋と呼気筋が対等の力で相互に主張して譲らないことが大切です。でも本当に対等の力だと息は止まってしまうので、少しだけ呼気筋の主張を強めると良いです。
支えのある発声は横隔膜を”息を吸った状態”で保つと良いと思います。声を出すということは息を吐くことにもなるので、息を吸う機能と息を吐く機能の間で力の支え合いになります。逆の力同士の闘争状態とも言えます。 http://www.splab.net/APD/F120/
(続き)…重要。また、声を支えるときは息を吸った際に脇腹、胸郭及び背中を膨らませて、元に戻さないで声を出すことが大切。風船を膨らませながら抱きしめる感覚。両方からの力が支えでは必要。どちらかの力が弱まると、声が力んだり高音で裏返ったりする。
今回風邪をひいてよくわかったことは呼吸は背中を使うということです。以前から背中を使うと言っていましたが、今回は咳という形で背中に痛みを感じたために感触が良くつかめてきました。腰の位置の背中側が特に重要、次に両方の脇腹。脇腹は腰の高さ、ベルトの少し上ぐらいが重要。また…(続く)
支えのある声は息を入れるとか吸うこと以上に、息を吐かないことや漏らさないことが大切。出さないテクニックが発声では重要であり、最適な状態はブレスのタイミングや母音や音程などに合わせて常に変化している。