梅雨という名前の監獄に閉じ込められた晴天が思いがけなく脱獄して自由の喜びを地上に注ぎ込んでいるような天気だった。ベンチに座って街路樹を見るともなくみていると大きな木から羽のような実がざあっと風に吹かれて飛びすさびアスファルトを淡い黄色に染めている。これは夏を報せる木でしょうか。