「うわ、すっげー月がきれ~!」アルジズがつぶやく。彼女の前を、野球帽をかぶった男の子が、ゆるっとしたジーンズとスニーカーという格好で歩いていく。リラックスした顔つき。アルジズに向かって親指を立てて見せる。彼にとって知り尽くした界隈、テリトリー。今日も機嫌よく流しているのだろう。