wasurebana

「忘れ花」のストーリーの原型を思いついたのは、たしか小学生の頃。
今とは少し違うストーリーの処女作は、当時父親から借りていたワープロで書き上げた。けれど機械が壊れ、印刷もしていなかったので消えてしまった作品を、時代を超えまた新しく書き上げられたことに満足しています。

またぜひ読んで頂けたらうれしいです!
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忘れ花~エピローグ~

駅前の大通りから横道に入り、路地を少し歩くと
『HANA』という少し風変りな”花屋”がある。

引き寄せられるように、その店に訪れた客が目にするのは
一見、花屋とはわからないほとんど花の置いていない店内と
女店主。

 そこで売られているのは、少しの花と

・・・少しの夢(想い)、だ。

読んで頂きありがとうございます!

忘れ花~最終章~後編

必要な者には険しき道が立ちはだかり、
欲していない者には身近な存在。

それが「忘れ花」の"生態"だ、と植物学者の兄が真剣に語り出す。
学者というものは、科学に基づく理論的な見解で物を言うものだと思うが、
兄が話すことはまるでおとぎ話だ。

「これまで母と何度も会い、話をしたが、それは全て母が生きていた頃の昔の記憶の再現のようなもので、忘れ花は幻想を見せる作用があると思ったんだ。
ただ、それほど自

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読んで頂きありがとうございます!
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忘れ花~最終章~中編

―兄さん、また山へ、あの花の所へ行くのか!
一体どうしたっていうんだ!!

実家に寄り付かなかった兄が、突如戻って来たかと思えば
毎日、毎日山に登り、こちらの心配をよそに花のことを熱心に語り出す。

―そんな話、信じられるわけないだろ。
もう、山へ行くのは止めてくれ。

何度同じやりとりをしただろう。
兄がどんどんのめり込んでいくのを、私は怖いとさえ感じていた。

その花に、もし中毒性がある毒のよ

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楽しんで頂けたら幸いです!
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忘れ花~最終章~前編

ある山に、毎年同じ場所に決まった時期に咲く花があるという。

私の村に伝わるそんな「花」の存在を信じている者はいなかった、
大抵の者は。

ある日、男がその花を探しに村にやって来た。

村の者なら「花の話」は知っているが皆、噂話としか思っていない。
そしてその「話」を一番詳しく知っているのは私だ、ということになっている。

案の定、その男も私の元へやって来た。

これまでも、ほんのたまにこういう者

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感激です!
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「忘れ花~wasurebana~」という作品は、ある大きなテーマを軸に場所、時間、主人公を変え物語りは展開しております。最初から読んでくれている方の中には、まだあの謎が解けていない…と思われているかも?どうか最後までお付き合いいただければうれしいです。物語り、再開します。

楽しんで頂けたら幸いです!

ワスレバナ~wasurebana First story~は少しもどかしい物語りの終わり、と感じられた方もいらっしゃると思います。そう、もう少しだけ忘れ花の物語りは続きます。今回の主人公の男の弟の物語りをアナザーストーリーとして描きたいと思います。それまで物語りは一旦お休み・・・

ハートまで!ありがとうございます!!

ワスレバナ~wasurebana First story~後編

空が明るくなった。朝霧が辺りを覆うが、段々に明るさも広がり周辺の様子が見える。

私はすぐ、他に花の存在がないか確認を始めた。
が、今、確認できる範囲ではこの花一本しか見つけられない。
身体の痛みはマシにはなっているが万全ではないし、まず無事、下山するということが優先しなければいけない現状、諦めるしかないのか・・・

それでも、悪い癖か研究者の性なのか、自分のことよりも目の前の研究対象に後ろ髪惹か

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読んで頂きありがとうございます!
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ワスレバナ~wasurebana First story~中編

静かだ。
月明かりがぼんやり辺りを照らすだけで、少し先は何も見えない暗闇だ。

育った土地で、こんなに心細い時間を過ごすことになるとは。すぐ近くに実家だってあるのに、帰れないことが急にどうしようもなくさみしく感じる。
・・・あれだけ疎遠だったのに、だ。

そしてまた、遠い昔のことを思い出す。
弟と毎日のようにこの山に登り、虫を捕ったり秘密基地を作って遊んだこと、母親と色んな植物を調べて歩いたこと・

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感激です!
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ワスレバナ~wasurebana First story~前編

・・・くっ
全身に鈍い痛みを感じ気が付くと、私は地面に転がっていた。

―――ここは、、、

仰向けの状態から私が見た景色は、自分の背丈より高い岩の壁。
その上は傾斜のきつい山肌が見えた。

・・・そうだ。
私は植物の調査に訪れた地元の山の頂上で、珍しい薬草を発見し採取することに気をとられ足を滑らせ・・・ここに着地、というわけか。

全身を強く打って暫く気絶していたようだ。

意識がはっきりと戻っ

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またぜひ読んで頂けたらうれしいです!