思い出すのは、あの時のキスとなんとも言えない感情で。 ああ、確実にコイツに落とされているというのが分かる。 (けれどもまだその背中は遠く、振り向いてくれやしない) 戯れだけで済ませられたら良かったのに、冬の冷えた空気に逆らうかのように皮膚は熱を持った。
いつか朽ちることを決められるなら、今朽ちてしまいたい。 そう思う程度には生き急いでいたし息苦しく感じている。 そして押し付けがましい感情とお別れしたいんだ、僕は。 (だってキミ、自分の事しか見えていないじゃないか。僕がどう思うかも考えず、自分が満たされたいだけだろう?)