結城浩
2021/01/25 22:54
たとえばこんな恋の歌。種しあれば岩にも松は生ひにけり恋をし恋ひば逢はざらめやもこれは古今和歌集の512番、読人しらずの恋の歌です。現代語で大意を書くと次のようになります。種があるので岩にも松は生えるのです。あなたを恋し続けたならば逢わないなんてことがあるでしょうか。いえ、そんなことはありません。「恋し続けることで必ず逢える」という気持ちを詠んでいるものですね。古今和歌集が編まれ
2019/11/24 22:45
#読人しらず #古今和歌集 0800 #jtanka #短歌 #恋 あなたが「それではね」と言って離れてしまったならば、私はたったひとりで家の花を見て、あなたのことを偲び、あなたがいないことを耐え忍びましょう。「今は」は「今となっては」「このようになった以上は」の意味で、別れのときに使う表現。「とて」は引用を表す格助詞。「……と言って」の意味。「かれなば」は「かれ+な+ば」。「かれ」
2019/07/22 22:15
#読人しらず #古今和歌集 0503 #jtanka #短歌 #恋 いとしく思う心には、こらえる心が負けてしまいました。恋心は表に出すまいと思っていたのですけれどねえ。「思ふ」は「恋しく思う」や「いとしく思う」の意味。「ぞ……ける」は係り結び。「忍ぶる」はバ行上二段活用の動詞「忍ぶ」の連体形。〔び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ〕「色には出でじ」は「色+には+出で+じ」。「色に出づ」の
株式会社東京カモガシラランド
2018/11/05 22:09
過去の辛い記憶を書き換える 不安と悩みをなくす方法
YouTube講演家 鴨頭嘉人
※試聴版です。オリジナル版(37:26)は購入後に視聴できます。
2018/05/07 16:55
#読人しらず #古今和歌集 122 #jtanka #短歌 #春 春雨でつややかに美しい色も飽きないのに、色だけではなく香りまでも心ひかれる山吹の花ですねえ。「にほへる色」は「にほへ+る+色」。「にほへ」はハ行四段活用「にほふ」の已然形。〔は・ひ・ふ・ふ・へ・へ〕。「る」は完了の助動詞「り」の連体形。「にほへる色」は「つややかで美しい色」のこと。「にほふ」の「に」はもともとは「丹」で、赤
2018/05/06 19:20
#読人しらず #古今和歌集 723 #jtanka #短歌 #恋 初咲きの紅花で染めた色が深いようにあなたのことを深く思っていたこの心を私が忘れることがあるでしょうか。いいえ、忘れることはありません。「紅(くれなゐ)」は紅花(べにばな)の異称。「初花染め」は、その年初めて咲いた紅花で染めること(染めたもの)。色が深いことと、思いが深いことを掛けています。「忘れめや」は「忘れ+め+
2018/04/22 19:01
#読人しらず #古今和歌集 512 #jtanka #短歌 #恋 種があるので岩にも松は生えるのです。あなたを恋し続けたならば逢わないなんてことがあるでしょうか。いえ、そんなことはありません。「種しあれば」の「し」は強意。「恋をし恋ひば」の「し」は強意。「恋し続ければ」の意味。「逢はざらめやも」は「逢は+ざら+め+やも」。「逢は」はハ行四段活用動詞「逢ふ」の未然形。「ざら」は打消の助
2018/04/21 22:12
#読人しらず #古今和歌集 496 #jtanka #短歌 #恋 人知れず思っているから苦しいのです。紅の末摘花の色のように、私の気持ちも表に出してしまいましょう。「思へば」は「思へ+ば」。「思へ」はハ行四段活用動詞「思ふ」の已然形。「ば」は接続助詞。ここでは已然形に接続しているので順接の確定条件を表し「思うので」の意味。もしも「思はば」のように未然形に接続していたら順接の仮定条件を表し「思
2018/04/18 20:04
#読人しらず #古今和歌集 522 #jtanka #短歌 #恋 流れていく水に数を書くよりもはかないことは、私のことを思っていないあの人を思うことだなあ。「数かく」は数を数えるために線を引くこと。「思ふ」は恋しいと思う気持ち。「人」はわざわざ言わなくてもわかるあの人、恋しい人、思い人のこと。ゆくみずに かずかくよりも はかなきは おもはぬひとを おもふなりけりゆくみずに かずかくよ
2018/04/17 20:57
#読人しらず #古今和歌集 483 #jtanka #短歌 #恋 糸でひもを編むようにあちらこちらに気持ちを動かしてみても、あなたに逢わないとするなら、いったい私は何を命として生きていきましょうか。「片糸(かたいと)」は、よりあわせる前の細い糸のこと。「こなた(此方)」は「こちら側」のこと。「かなた(彼方)」は「あちら側」のこと。「あはず」は、「合はず」(糸がより合わされないこと