楽しみは貯金できないし 長続きするものでもない。 だからこそ都度都度見つける機会と 見つけたあとの切り崩し方が大事だ。 楽しいからといって一気に切り崩すと 元も子も無くなる。 と鏡台に向うお姉ちゃんは 二千円くすねかけた私にそう言って その二千円をくれた。 『 楽受 』
開花、開花、開花、開花、開花、 開花、開花、開花、開花、開花、 聞く度にうんざりしている。 枯れた目で埋め尽くされた 八方の花を見やる。 開花どころか蕾さえあるのかどうか 怪しい自分にとっては要らぬ期待。 毒みたいな期待。 その花はいつかや今度と同じ。 『 隣の花は開花 』
死者は生者の糧となる。 良くも悪くも。
あいつのいっとう大事な物を人質にとろう。 物に罪はなくても 思い入れはねぇから。 そこんとこよろしくな。
恐怖とときめきは似ている。 あってないような薄ら氷を踏み抜くと そこから瞬く間に侵食し紙一重になり 熱を奪われた以上に身体が火照る。 ゾクゾクを味わいたくなるのは きっと薄ら氷みたいなこの境目のせいだろう。
おしゃれの胸焼けがする。 私はかっこのつかない普段のまま 過ごしたい。生活感丸出しの。 生活なんてかっこなんてつかなくていいし つけるものでもないだろう。
手段が目的になった時 目的のために奔走した今より きっとむなしくなる。 本末転倒とはそういうものだ。 というよりなぜ散らす事ばかりを 良しとするのか。 花を咲き裂かせ実を作ることは 人のはじめだが 人のすべてでは無い。 『 操 』
「ごみを捨てる時はね 殺意を込めて体重をかけるのよ。 そしたらしばらくは 大人しくしててくれるから。」
感謝ってのは得たいものが得られて 充たされたいものが充たされて 初めて湧く感情なんだ。 得たいものも得られず 充たされたいものも充たされない そんな人間が心の底からの 感謝なんて出来ると思うか? ましてや他人に強制されて 感謝できた人間なんていやしない 感謝とは自ずと湧くものだ。
理解と愛は時として全く違う。 私が欲しかったのは理解だ。
生きることも死ぬことも出来ない 私はきっとこの世でもあの世でも どこの世にも存在してない。 彷徨える世界線が辛うじて この世に繋がっただけ。 本当の世界も無い私の世界。 周りから見れば無色透明で 頼りにできる人間すらいない。 私から見れば灰色砂漠で ただ独り宛もなく存在している。
本当の愛というのは 本当の真心というのは 胸が痛い。 まるで真綿で絞められるよう。 いざ目の前に差し出されると 喜びよりも前に苦しくなってしまう。 幸せなことなのにどこか祝えない。 だってそうだ私は私を許してない。 どれほど誰かに許容されても 私は私を許し好きになることは無い。
欄干とその下に目が弾けるほどの光。 その上にあなたが待ち構えている。 あなたの顔が見えなくても分かる。 その景色がどれほど美しいか。 のちにあなたに会いに行こう。 『 快晴か、白い雲の群れか。 』
強がりでもいいよ。きっと強がりだ。 誰かに認められないことは悲しい。 誰かに褒められないことは哀しい。 だけど 自分の表現だけは見えない誰かの為に 歪めたくない。
乗り越えたと思えなくてもいい。 よくやり過ごしてきたね。 って私はあんたに言ってやりたい。 乗り越えるって言葉じゃよく聞くけど 並大抵ではないから。 そう思えない中でよく耐え生きてきた。 って事実だけで充分だと思う。
マゼンタカラーのかわいこちゃん 君の名前はなんていうのかな。 ひときわ目立つべっぴんさん 君は薔薇に似てるね すごく綺麗でかわいいよ。 窓際の君に一目惚れ。 きっと鳥たちも必ずいちどは 君に会いに来るのだろう。 『 窓際のマドンナ 』
闇に沈むのをやめられない。 沈んだところでキリはないし しばらく底なしだ。 でも下へ下へ身体は 引っ張られるように沈む。 気分を変えたとて 家に帰って寝るのと同じ。 また繰り返されるだけだ。 私の何がいけなかったのだろう。 多分キリがないくらいあるんだろう。 それだけは分かる。
ありがとうを縋りつく口実にするな。