自由律俳句集

精神科in the自由律俳句

話を聞かない精神科医と話しかけてくる看護婦

トイレ前で肩もみするなよ

謎の壺の絵

私より長い親の診察時間

職員専用扉から出てきた明らか患者

便器の線を抜いて前髪を巻く

計算し尽くされた椅子の位置

優しげな問診票

聞かれる前にとりあえず話す

持論はいらん薬をくれ

制服だが学校は行かない

とりあえず雨を心配しとけと思ってるだろ

看護婦が全員可愛い

主張の低い非常口マーク

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自由律俳句 #02

白衣に憧れる歳

このから揚げも金賞

言ってくれればひと口あげた

漫画で見たパン食い競走と違う

風が吹くが芯が暑い

制服みたいな服を着た教師がいた

夏本番車が揺れて見える

これでもかとかき氷に触るポリ手袋で

あと一歩のところでゴミ箱に届かず

ずっと豆柴でいい

これがカエルの合唱だと甥に教える

雨に打たれ蒸発したコンクリートの匂いがする

予告編と特報

まず飲み込め

黒板に書

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自由律俳句まとめ①

ふと思い立って自由律俳句を始めてみました。

ほんとになんとなく。なんの前触れもなく。

切っ掛けっていつも突然ですよね。

~2020.05.21まとめ

コブラのピアスをつけている

染まった爪なら優しく見えるか

水がいちばんおいしい

愛と憎悪を行き来している

できるだけ早めに愛されたい

ノスタルジーに浸りすぎて死ぬ

己ひとり幸せにできない

喧嘩をする相手がいない

可哀想で一括り

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2020年5月3週目

パン屑を受けてばかりの魚焼きグリル

マグカップの端に追いやられる気泡を見て泣く

偽りの「月が綺麗」は3点

来世は食欲と実験欲を女子力としない

別れ近づく、開けるたび照度が上がる冷蔵庫

ひらがな、“あ”の次に“い”を習う 愛

小さな体が抱えるカーネーション花屋の外に続く守るべき世界

流れ星が3つ見れる
3

自由律かるたのさしすせそ

毎度お馴染み、かるたまとめの時間がやってまいりました。

今回はさ行。
白・黒・食べ物・ワインをテーマに、「さ」から「そ」で始まる句をご用意しました。どうぞお付き合いください。

▼これまでの自由律かるたはこちらからご覧いただけます

ホッと白い句

▶︎さ
鎖骨のくぼみが今日のお湯を掬った

▶︎し
洒落た家の出す瓶ゴミまで洒落ている

▶︎す
砂時計の静かなガラスにそっと触れる

▶︎せ
聖堂

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めんだこ「メンメン🐙」(嬉し涙)
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自由律かるたのかきくけこ

前回の「自由律かるたのあいうえお」では沢山の方にご覧いただきました。感謝申し上げます。今回はかきくけこの句です。

本記事を初めてご覧になる方は前回記事をご一読されると詳しいコンセプトを把握できます。

白・黒・食べ物・ワインをテーマに、「か」から「こ」で始まる四句がそれぞれ揃いました。おやつ片手にしばしお付き合いください。

ホッと白い句

▶︎か
壁の画鋲穴を爪でそっと埋める

▶︎き
決める

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ありがとう!
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自由律かるたのあいうえお

自由律俳句でかるたをつくる「自由律かるた製作委員会」。自由律俳人界隈で今盛り上がっています。

50週かけて50音を完成させるゆったりとしたコンセプトで、気軽に参加できる企画が魅力です。

私は、あるテーマを掲げながらこの企画に参加しています。

白・黒・食べ物・ワイン。

テーマを決めた四句を毎週つくり、先週で「あ」から「お」まで揃ったので、noteにまとめてみました。しばしお付き合いください。

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感謝の気持ちでいっぱいです✨
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夜のあなた

親愛なる服屋へ

夜のあなたがきて夜になった

煙追った夏のゆくえ

笑えば酒がこぼれる

手には何もない夕さり

踏み鳴らした初めての街だ

向かい合って忘れあった話

おろした冬に袖を通す

眠ればあんなに遠くなった月

抱きしめた夢に生かされている

花は咲く夜のあなたに

盃とドーナツ

敬愛する伊達者へ

酌み交わせば夏が終わる海の話

話聞いている指先に火が点る

アジフライがきて黙っている

目の奥はまだ恋の歌

夜明けの街で眠ってしまった

愛は朝に書く手紙

道で口ずさむ歌がある

どんな日も声がした渋谷

歩いた先を家にしている

夜咄は皿の上のドーナツ