笠井亮平

タリバーンのアフガン全土制圧で
方向転換を余儀なくされるインド

タリバーンのアフガン全土制圧で 方向転換を余儀なくされるインド

タリバーン勝利と米軍撤退で変わった アフガニスタンの構図 8月、タリバーンがアフガニスタンでほぼ全土を制圧した。米国同時多発テロ後に米軍を中心とする有志連合による攻撃で政権の座を追われてから20年。タリバーンは再びこの地に君臨することになった。これに対し、米国は節目の年に、かつてない厳しい状況の中で再建に深く関わってきた国から去ることを強いられた。バイデン大統領は9月1日の演説で、米軍撤収について「大成功だった」と言ってみせた。しかし、手塩に掛けて育てたはずのアフガン国軍兵士

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インド独立運動指導者
チャンドラ・ボースの「死」
戦後76年を経ても遺骨が本
国に返還されないのはなぜか

インド独立運動指導者 チャンドラ・ボースの「死」 戦後76年を経ても遺骨が本 国に返還されないのはなぜか

独立運動をリードした国民会議派の政治家 武闘派でマハートマ・ガンディーと決別 1945年8月18日。日本の敗戦が決まってから3日後、台北の松山飛行場で軍用機が墜落した。同機はサイゴン(現ホーチミンシティ)を発ち、給油のため台北に立ち寄っていた。最終目的地は満洲(現中国東北部)の大連だった。搭乗していたのは、関東軍総参謀副長に任命され、任地に赴く途中だった四手井綱正中将。そこに同乗していた大物がいた。インド独立運動指導者、スバース・チャンドラ・ボースである。四手井中将は即死、ボ

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混迷深まる
アフガニスタン情勢とインド
米軍撤退後を見据え、
動き始めたユーラシア3大国

混迷深まる アフガニスタン情勢とインド 米軍撤退後を見据え、 動き始めたユーラシア3大国

米軍の完全撤退、勢力拡大するタリバーン アフガンとの関係強化を図る中国とロシア 2021年8月末、アフガニスタンから米軍が完全撤退する。アフガン戦争のきっかけとなった同時多発テロ発生から9月でちょうど20年。この節目にバイデン大統領は「米国最長の戦争」の幕引きを図ろうとしている。  しかし、米国にとって終戦だからといって、アフガニスタン国内に平和と安定が戻るわけではない。現実はそれとはほど遠い。反政府勢力タリバーンが支配地域を広げ、ガニー大統領率いる政府の統治地域は首都カブ

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インドをめぐる
ステレオタイプの弊害
コロナ報道と炎上動画から
何が見えるか

インドをめぐる ステレオタイプの弊害 コロナ報道と炎上動画から 何が見えるか

🔻果たしてインド全てを意味する映像なのか   行政の対応が遅ければ住民が動くことも  ガンジス河で沐浴する大勢のヒンドゥー教徒。雑踏のなかを練り歩く人びと。多数の支持者を動員して行われる、お祭りのような大規模選挙集会――どれもインドが海外に紹介される際の定番とも言える風景だ。  今年4月から5月にかけて、日本のテレビではこうした映像が連日流された。前向きなテーマだったら良いのだが、残念ながらそうではない。インドに新型コロナウイルスの第2波が到来し、同国で確認された変異株が猛

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「州議会選」モディ政権への
影響はいかに
中央政治に結び付かない
人口故の摩訶不思議

「州議会選」モディ政権への 影響はいかに 中央政治に結び付かない 人口故の摩訶不思議

🔸重要4州で議会選実施、1州で政権交代     選挙結果は何を意味するのか  インドでは毎年のように選挙がある。最も重要なのは下院総選挙だ。不安定な連立政権が続いた1990年代後半には3年半で3度もあったが、2004年以降は5年毎に総選挙が行われている。直近では2019年にモディ首相率いる与党・インド人民党(BJP)が大勝した。  もう1つ目が離せないのが、全国に28ある州議会の選挙だ(さらに、デリー首都圏等の連邦直轄領の議会選もある)。こちらも任期は5年だが、州によって満

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「ワクチン外交」
展開も感染急拡大で頓挫
コロナ対策で揺れる
その裏に「印中競争」

「ワクチン外交」 展開も感染急拡大で頓挫 コロナ対策で揺れる その裏に「印中競争」

「世界の薬局」を自認、「完全国産ワクチン」 先行する中国を追い、85カ国に提供  今月号からインド・ビジネス・センターの島田卓氏より連載を引き継ぐことになった。台頭著しい巨大国家インドの諸相を、独自の切り口で読者諸氏に伝えたいと思っている。  外交の世界では、思いもよらないアイテムが「武器」や「打開策」になる。1971年の米中和解のきっかけとなったのは「ピンポン外交」、最近では、中国が新型コロナウイルス対策で「マスク外交」を大々的に展開した。 そして今は「ワクチン外交」だ。

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【35-国際】45年ぶりに死者 印中の武力衝突は戦争に発展するのか|笠井亮平

【35-国際】45年ぶりに死者 印中の武力衝突は戦争に発展するのか|笠井亮平

文・笠井亮平(南アジア研究者) 衝突のレベルが上がっている 世界が依然としてコロナ禍に喘いでいた2020年6月中旬。ヒマラヤ山脈西部では、前月から国境地域で続いていた中国人民解放軍とインド軍によるにらみ合いが武力衝突に発展し、インド側20人の死者が出る事態となった(中国側は自軍の死者の有無について言及していない)。インド国内では反中感情が急激な高まりを見せ、政府はTikTokはじめ中国系のスマートフォン向けアプリを禁止する措置を講じるなどした。 印中はともに核兵器を保有

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今日の配本(20/08/25)

今日の配本(20/08/25)

ビリオネア・インド 大富豪が支配する社会の光と影 ジェイムズ・クラブツリー 著/笠井亮平 訳 政官財の癒着、蔓延する縁故主義、地方政界にまで及ぶ金権政治――スーパーリッチの生態を通してインド社会の諸相を描いた傑作。 韓国語能力試験TOPIKⅡ作文対策講座 吉川寿子、キム・テウン 著 TOPIKⅡの中で得点配分も多く結果を左右する可能性が高い「作文」をどのように攻略するか。徹底的に研究した著者が道筋を示す。 http://www.rockfield.net/wp/?