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雨あがり陽にあてられた若葉たち よくみりゃ四葉のクローバーだったり

『暑いね』と声をかけたら 『暑いけど夜には冷える』と 温度感なく

木漏れ日のぬくもり染みる苔肌に 一寸座れば一寸の仏

畳まれる傘から滴るしずくさえ愛おしいほど待ちわびた君

ごめんねにいいよと返す子のシャツに汗、砂、誇り、光る太陽

食卓を囲む家族のうつる窓 照らされ 夜道にわかに霞む

花は春 出逢いの春に別れの春 僕の春には花粉症がある

はらへったはらへったとひとりごと キッチンに立つ気力もなしに

寒霜の包む湖 日の出待ち 友の渡したカイロをにぎる

ボウボウと声が導く 蓮の池 だれが呼んだか 多分カモだな

今日もまた こだわり惣菜へ のびる手 料理上手と 君が言うから

気恥ずかしく いってらっしゃいに振り返る 言葉も出ずに 戸を閉じる朝

中毒はこわい あとには戻れない 酒とタバコとマックのポテト

会えない寂しさに 心沈むより 会えた喜び 思い浮かべて

パス受けて後ろ向いててどうすんの シュートしたけりゃ前を向かなきゃ

時にはさ 立ち止まってもいいんじゃない 人に優しく 自分に優しく

『もう春か』 つぶやく君に背を向けて思い返した 他愛ない日々

天の原 振り咲け見れば青長ける 微かに薫る故郷の芝風

根津に月 器に映る夜の夢 見返すように今宵は眠る

古池に たとえもやがかかっても 伸びゆく蓮は忍ぶことなく