熱帯の真実

カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』  反響まとめ

カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』  反響まとめ

50年以上にわたってブラジルのポピュラー音楽界をリードし続けてきた 最重要ミュージシャンのひとり、カエターノ・ヴェローゾが、類い希な知性を発揮した著書“ Verdade Tropical”の邦訳をついに刊行しました!(2020年9月28日) 1950年代から70年代にかけてのブラジルの音楽と文化、社会、政治を語った この大著は、長く長く日本のブラジル・ファンに待たれただけあって、たくさんの反響をいただいています! ここでは、書評や特集記事をまとめてご紹介します。読み応えあ

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細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その2

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その2

マリリン、ウォホール、シャクリーニャ  『熱帯の真実』は「エルヴィスとマリリン」という章から始まっている。ウォホールを連想しないほうがむずかしい。カエターノは少年時代にこの二人のスターにひかれたことはなく、むしろウォホールを経由して近づいた。トロピカリズモが運動になり始めていた六七年には、サンパウロのビエンナーレ美術展で、アメリカのポップ・アーチストと接触し、スーパーマーケットに向かう自分の道のりに対する「より正確な意味づけ」(290ページ)を得た。この年には、それまでの前

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細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その1

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その1

月刊誌『ユリイカ』2003年2月号「カエターノ・ヴェローゾ特集」(青土社)に掲載された音楽学者の細川周平さん(現・国際日本文化研究センター名誉教授)による『熱帯の真実』評を、細川さんと『ユリイカ』編集部のご厚意により、ここに再掲します。 このテキストは、『熱帯の真実』の編集をしながら何度も参照し、そのたびに細川さんの読みの鋭さ、的確さ、深さに感嘆していました。ポルトガル語による原書の発売から5年あまり、全文を読み通した人が日本に何人いただろう? という時期に、これほど精緻に

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細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その4

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その4

マニャタン  彼はアメリカ合衆国をブラジルの反転と見る一方で、ニューヨークだけは特別扱いしている。八〇年代に初めてこの「アングロサクソンの世界帝国の首都」へ行った時、イベリア半島やイタリアよりももっと親しみを覚えたのは、そこがサルヴァドールや生まれ故郷サントアマーロと同じ「アメリカの領土」にいると実感させたからだった(489ページ)。そこにはブラジルと同じように「運命的に混血の現実」が動いている。混血は決してフレイリらブラジルのナショナリストが主張するようにブラジル独自の特

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その3

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その3

「英語を覚えなさい」  六〇年代後半、ビートルズやストーンズを外国語の歌として聴いた若者にとって、英語は特別な意味を持った。英語の響きはバンドのサウンドにあまりに組み込まれ、別の言語のカバー・バージョンを色あせた二級品にしてしまった。「英語の侵略」──アメリカがいう「英国の侵略」というよりも──は、各国で同時に進んだ消費文化──とりわけ都市中産階級の若者のライフスタイル──のアメリカ化のプロセスの一端を担っている。日本と同じように、ブラジルの当時のグループサウンズも英語名を

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細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その2

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その2

マリリン、ウォホール、シャクリーニャ  『熱帯の真実』は「エルヴィスとマリリン」という章から始まっている。ウォホールを連想しないほうがむずかしい。カエターノは少年時代にこの二人のスターにひかれたことはなく、むしろウォホールを経由して近づいた。トロピカリズモが運動になり始めていた六七年には、サンパウロのビエンナーレ美術展で、アメリカのポップ・アーチストと接触し、スーパーマーケットに向かう自分の道のりに対する「より正確な意味づけ」(290ページ)を得た。この年には、それまでの前

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細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その1

細川周平「アメリカでは──カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』を読む」-その1

月刊誌『ユリイカ』2003年2月号「カエターノ・ヴェローゾ特集」に掲載された音楽学者の細川周平さんによる『熱帯の真実』評を、細川さんと『ユリイカ』編集部のご厚意により、ここに再掲します。 このテキストは、『熱帯の真実』の編集をしながら何度も参照し、そのたびに細川さんの読みの鋭さ、的確さ、深さに感嘆していました。ポルトガル語による原書の発売から5年あまり、全文を読み通した人が日本に何人いただろう? という時期に、これほど精緻に深く読み込んだレビューが発表されていたことに、畏怖

2020.10.23(金)「熱帯の真実」に迫る

2020.10.23(金)「熱帯の真実」に迫る

この何週間か目がしょぼしょぼする。花粉かな。 昼間はずっと雨だった。今日はそれほど寒くない。雨の中撮るのも楽しい。フィルターに着いた雨滴もソフトフォーカス効果とみなす。 日暮れ頃雨も上がり、「熱帯の真実」出版記念トークショーにゲスト出演。6月26日の配信イベント以来の晴れ豆。60名限定、今回は配信なし。 カエターノ・ヴェローゾ『熱帯の真実』刊行記念トークショー CVの真実〜ブラジルの60年代とトロピカーリア~ 日時:2020年10月23日(金)開演19時30分 開場18

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[2020.10]カエターノ・ヴェローゾ 『熱帯の真実』 翻訳刊行記念対談 国安真奈×宮沢和史

[2020.10]カエターノ・ヴェローゾ 『熱帯の真実』 翻訳刊行記念対談 国安真奈×宮沢和史

 カエターノ・ヴェローゾが1997年に発表した著書 “Verdade Tropical” の邦訳版『熱帯の真実』がこのたびついに刊行された。1950年代から70年代にかけてのブラジルの音楽と文化、社会、政治を語ったものであり、その全訳に、20周年記念版(2017年)の新たな序文を加えたものとなっている。  刊行を記念して、翻訳を担当したポルトガル語通訳・翻訳の第一人者、国安真奈さんと、トロピカリズモからも影響を受けた音楽家、宮沢和史による記念対談を行った。 カエターノ・ヴ

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[2020.09]【連載|ブラジル(と新宿)から世界を見る “ペドロスコープ”①】熱帯の真実の「明るさ」と「影」

[2020.09]【連載|ブラジル(と新宿)から世界を見る “ペドロスコープ”①】熱帯の真実の「明るさ」と「影」

文●ペドロ・エルバー ペドロ・エルバー(Pedro Erber) 哲学者、批評家。1975年リオデジャネイロ生まれ。現在は早稲田大学准教授。2019年まで米コーネル大学准教授。美術史ジャーナル「ARTMargins」編集者。アート、美学、政治思想、文学についての多くの執筆がある。主な著書に『Breaching the Frame: The Rise of Contemporary Art in Brazil and Japan』(14年 )。現在2歳の長男とゼカ・ヴェ

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