僕と彼女

彼女が赤ちゃんから戻るまで④

僕が彼女に食事を口移しで食べさせている理由は幾つかある。

最初は、事件直後は何もかもが恐怖に感じる彼女を安心させる為。

暴行を受けた際に、顎を負傷したので硬い物を噛み砕くのが困難だったから。

そして、1番の理由は、僕が彼女の体内に入る物を確認したいから。

今日も僕は彼女に口移しで食事を食べさせる。

彼女が赤ちゃんから戻るまで後★日...

彼女が赤ちゃんから戻るまで③

彼女に守らせている約束がもう1つ。

フラッシュバックや怖い夢をみたら、必ず僕に言う事。

フラッシュバックは突然起きる時が多いので、条件反射で僕に抱きついてくる。僕の胸の中に体を丸めて、小動物の様だ。

問題は怖い夢をみた時だ。何故か僕に話してくれない時がある。単純に言いたくないのか、僕に心配かけたくないのか、理由は分からない。

「どうして、話をしてくれなかったの?」ベッドに添い寝をしながら理

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彼女が赤ちゃんから戻るまで②

彼女が赤ちゃんのようになってから、
僕は2人の中での約束を作った。

・勝手に外出しない。
・ご飯はちゃんと食べる
・昼寝をする

これだけの事。
でもこれが今の彼女には、とても大切なんだ。

いつもはきちんと守ってくれるけど..
たまに反抗したくなるのか、突然彼女は約束を破る。

そんな時僕は、理由を聞いてきちんと言い聞かせる。

そして、約束を破った時のペナルティを与えてる。

・外出禁止(1

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彼女が赤ちゃんから戻るまで①

29歳の僕よりも...6歳年上の彼女、同棲して2年以上が経つ。気が強くてズバズバ物を言う彼女、でも実は人1番繊細で優しい。反対に気が弱くて人の顔色ばかり伺っている僕は、彼女の尻に敷かれっぱなしだった。

でも、彼女のキツイけど気持ちの良い言葉で尻を叩かれながらの生活は、僕にとってはとても刺激的な毎日だった。

だけどそれはある日急に壊れたんだ。

深夜に彼女は突然暴行され、心と体に傷を追った。日常

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ひとなつの

「これから幾年かたったあとで ふと、あなたがその名を読むとするならば そのとき、私を、死せるものとして数えてください 私の心は、このアルバムの中に埋められているのです」
 ジョージ・ゴードン・バイロン「モオルタ島で、ある記念簿に」『ハロルドの巡礼』

 時代最後の季節よりも次の時代で初めて経験する季節の方を忘れがたく切なく思うのは、かつて置き忘れてきて消えることのない思い出に浸ってしまうからだろう

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事実恋愛

都会において夜空が赤く染まる事があるのは、地上に明かりが有り過ぎるからだ、なんて事を何処かで聞いた事がある。僕はどろりと滲み出すようなあの黒赤色が好きではなかった。子供の戯言のように聞こえるかもしれないが、あれを見ていると、まるで世界が終わるかのように感じてしまうからだ。終わってしまう事は何よりも怖い。だから、僕はそれがどんな形であっても続いていく事を望んでしまうところがあるのかもしれない。

 

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