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水声社/フアン・ホセ・サエール/大西亮=訳『傷痕』話。妻殺しを鍵とする四つの物語。複数視点から真相を探るより一癖も二癖もある人物たちの奇妙な相関図自体が主題となり、各視点で作風が変わるため短編集のような味わいがある。でも物語は連結し、そこに地図が生まれる。偏執的な情景描写も凄い。

水声社さんと言えば、2月24日はおなじみ〈フィクションのエル・ドラード〉よりフアン・ホセ・サエール=著/大西亮=訳『傷跡』発売日ではないか。書名自体は近刊情報に記載されていたが、刊行がいつになるかわからなくて気長に待機していた。アルゼンチンも名作の宝庫。当然お気に入り登録済み。