思考という妄想を挟まなければ 全ては目の前にありのままに在る。 それを観られるかどうか。 偏見、先入観、思い癖… 真実を歪めるものに気づく。 それを一つずつ少しずつ取り除いて 如実知見、ありのままに。 無いものを観ず、あるものをそのままに。

何も足さない、何も引かない。 肯定もしない、否定もしない。 あるがまま、ないがまま。 一瞬ののちには全て消滅する。 だから今ここの目の前の全てを ありのままに眼球に映す。 その美しさが心を慰める。 この身は自然からの借り物。 山川草木と何一つ変わらない。

いろんな生き方があっていい。 真似してもいいし オンリーワンを作ってもいい。 あれこれ試してみるのもいい。 すべては経験という財産になる。 意志的に動いてもいいし 何かに流されてもいい。 在るがままでいいし 無いがままでもいい。

意味を問わず 　価値を問わず 意向を問わず 　需要を問わず 神に問わず 　自己に問わず 社会に問わず 　述べ述べて述べ 書き書きて書き 　彫り彫りて彫り 耕し耕して耕し 　行じ行じて行ず 分別なく余念なく 感覚なく感情なく ないがままにある 『円空』