見出し画像

フィットネス系の専門学校の就職活動

こちらのnoteは、15年ほど前に、東京池袋にある東京リゾート&スポーツ専門学校で過ごした様子と、就職活動で感じたことを記載しています。これからフィットネス業界を目指す人に向けて、参考になれば幸いです。


入学経緯

高校の頃、部活の筋力アップのため、フィットネスクラブに通い始めました。そのときに、スタジオで、ボクササイズ的なレッスンをやっているインストラクターの方が、とてもかっこよくて、このような人になりたい、と思うようになり、専門学校に入学することにしました。

体育系大学も、進路を決める際に、検討したのですが、入試の方法がよくわからなかったのと、専門学校のほうが、就職に直結しやすい、という当時の専門学校のマーケティングを受けまして、分厚い専門学校の一覧の雑誌のようなものの中から、大手っぽいところを選びました。

高校の秋くらいに、学力と面接のような試験を受けて、入学が決まったと思います。


専門学校のメリット

① 高校までと同じようにクラスがある。
・1時間目に遅刻しているようであれば、担任の先生から電話がかかってくるような、ダラけられない状況に所属できる。同じ職種を目指している友達が周りにたくさんいる状態を作れます。


②就職するための支援が手厚い。
・フィットネスクラブでのアルバイトをするように、がんがん催促される。
・就活が始まれば、たくさん情報がもらえ、とにかく大手から受けてくるように催促してもらえる。


③(おそらく大学よりも)テクニカルな部分の授業が多い。
・実際のスタジオレッスンを受けられ、レッスンする側になるための指導を受けられる。
・水泳指導の授業がある。など。


④大学3年生の年代で、社会に出るので、大学生の友達よりもちょっと大人になった気分を味わえる。
(その後、努力しなければ、大卒の人に、年収など、どんどん追い越されていきますw)


専門学校のデメリット

①新卒採用の募集要項 / その後の中途採用で、大卒必須の企業は受けれない。
(在学中に、電通やリクルート、フジテレビや、三菱商事や、金融系など30歳で1000万を超えるような企業に、やっぱり就職したいと思ってもエントリーできない)


②新卒採用の際、大卒よりも概ね月給が2万円ひくい。
※現在の初任給の様子(参考)
■メガロス
正社員... 大卒221,400円  短大・専門学校卒 195,160円
■コナミスポーツ
大卒228,000円  短大・専門学校卒216,000円


③学生生活を満喫や留学といった雰囲気は味わえない。
・基本的にインターンシップをすぐに始めなければいけないので、長期休暇もアルバイトの日々。


④経営視点が大卒の人に負ける。
・インストラクターやトレーナーとしての授業は多いが、経営の授業が少ないため、就職して店舗の経営がメインの仕事になるという意識が薄く過ごしていってしまう。
(僕の所感です)


合宿~入学式

高校を卒業して、4月、池袋に集合して、入学式の前に、どこか合宿所のようなところに、全員缶詰めにされて、ビジネスマナー研修を受けました。2泊くらいしたような気がします。初対面の方との合宿生活は、なかなか辛いものがありましたが、「あなたたちは、これから就職に向かっていきます」というマインドコントロールは素晴らしかったと思います。一般的なコミュニケーション研修やグループワークのようなものも行って、合宿は終わりました。

4月~9月

専門学校はクラスがあるので、高校のときと同じような雰囲気で、朝9時から16時ごろまで授業を受けました。授業は、以下のような内容です。

①トレーニングマシンやフリーウェイとの使い方。指導の仕方。
②水泳のレッスンの指導方法(まずは自分がバタフライまで4泳法泳げるようになること)
③スタジオレッスンの指導方法
④筋肉や骨の名前を覚える。
⑤ラグビーなどでよく起こるケガの名前を覚える。
⑥パソコンの使い方(社会人になってパソコンをすぐに使えるように)

平行して、インターンシップと呼ばれる、フィットネスクラブでアルバイトをするように、都度、担任の先生から指示を受けました。入学当初から、意識の高い同級生(主に水泳部だった人)は、フィットネスクラブで働いていました。僕は、最初東京を満喫してしまい、アルバイトを始めたのは、9月か10月くらいからだったと思います。

また、ピアスをしてきたり、過度なヘアカラーは禁止でしたので、そのような身だしなみの場合、毎日担任の先生に怒られていました。

どのような生徒が集まっているか、というと、

①あまり学業は得意ではなかったがスポーツは好きだった人。
②高校卒業後、フリーターなどを経て入学した人。
③高校のころから、がっつりフィットネスクラブに通っていた人や、ラグビーチームなどプロスポーツのトレーナーになりたい人。

といった、雰囲気で、なんとなく入学してしまったけれど、地方から上京した人などは、東京の生活の別のことが忙しくなって、辞めてしまう人も何人かいました。ただクラスがあるので、基本的にみんなで和気あいあいと授業を受けていました。

10月になると、より専門的にクラス分けされることになります。

①フィットネスクラブで、マシン/スタジオ/プール/フロントなど総合的に勉強したい人。
② ①に追加して、在学中にエアロビクスの資格取得したい人。
③フィットネスクラブで、スイミングの先生や、アクアビクスを専門にしたい人。
④プロスポーツチームのトレーナーになりたい人。
⑤子供むけのレクリエーション(保育士的な人)を極めたい人。

僕は、①の総合的に勉強するクラスを希望して、1年生の後半がスタートしました。


【1年生10月~】


レスミルズという団体が管理している、ボディパンプやボディコンバットという、音楽に合わせて筋トレを行うスタジオトレーニングのインストラクターになるため、週2時間の授業と、それ以外でも筋トレに励んでいきました。3月ごろ、インストラクターの資格が取得できたと思います。
前半の授業に加えて、フィットネスクラブの経営に関する授業や、按摩など国家取得のイメージを把握するため、マッサージの授業なども始まりました。

そのほか、住んでいる品川の母の実家の近くに、コナミスポーツがあり、アルバイトを始めました。
マシンエリアでのガード業務などを、週2、フロント業務を週2で、行っていきました。
就職に向けて、フィットネスクラブをたくさん見学行くように言われていたので、都内は20店舗以上、地元も5店舗ほど、見学に行きました。入学当初は地元で就職しよう、と思っていたのですが、東京のほうが大規模で働けておもしろそうだな、と思うようになっていきました。


【1年生3月~就職活動開始】


大手企業の新卒採用が始まっていきました。コナミスポーツ、メガロス、ティップネスの新卒採用を受けました。


・コナミスポーツ
当時、大手企業であり、フィットネスクラブに就職を目指すものとして、多くの人が、就職したい企業NO.1でした。
1次試験が、20人くらいが一つのグループになって、いま自分が、がんばって取り組んでいることを、みんなの前で、1分間スピーチする、といった内容でした。試験開催場所が、僕がインターンシップしていた、コナミスポーツの本社だったので、安心感があり、
「このコナミスポーツ本店で、ボディパンプやボディアタックのレッスンがんばってます」と、レッスンのときの身振り手振りなどを交えて行った気がします。


2次試験が、横浜の分度器の形をしたビルで、SPIと、グループディスカッションで、ディカッションは(よいサービスとは、どのようなサービスか)だったような気がします。ファシリテーターやってくれる人がいたので、オブザーバーで対応していきました。


3次試験が、再度本社で、取締役の方たちを前に、入社したらがんばりたいことを、1分ほど述べて終わりました。
結果は、内定をもらえました。


・ティップネス
スタッフの方が、ビビットなカラーのTシャツを着ていて、オシャレなイメージがありました。ただ、ボディパンプなどのレッスンは開催されていないため、それほど志望していない状態で、受けました。1次試験が、SPIでしたが、筆記で落ちて終了してしまいました。


・メガロス
都内で大規模施設を運営されていて、業績を伸ばしてきており、初任給も高く、メガロスが第一志望の気持ちになっていきました。

1次、2次、と何をしたか忘れてしまったのですが、合格して、3次試験で、4名ほどのグループになり、面接官2名と、2時間以上、コミュニケーション能力を図られるテストを受けました。
受験者と1対1でペアになって、お互いを誉めあってください、みたいなことを5分くらいやらされたり、相手をお客さんだと思って、最大限感情表現して、挨拶してみてください、みたいな試験がありました。これだけやれば接客スキルの振るいにはかけられるだろうな、と思いました。

3次試験も合格となり、最後、新宿の本社的なところで、人事の方と、1対1で面接となりました。

『あなたを採用すると弊社にどんなメリットがありますか』

→「インターンしてるので、マシンガードもスタジオレッスンも即戦力になれます」

みたいな回答をしたあと、『それで、他には』みたいなくだりを4回くらいあり、

『契約社員での採用だったらどうですか』

→「契約社員だったらリスクがあるので、内定しているコナミスポーツにします」

『雇用形態は関係なく、メガロスに就職したいんだ!という人を採用したい』みたいな下りになりまして、大変がっかりして、インターンで、現在繋がりがある人もたくさんいるし、コナミスポーツにしよう、と思いメガロスはあきらめました。


就職活動をする前に把握しておくべきだったこと


①ビジョンの確定

【職種】

◆店舗の経営や、会社の人事や採用や広報がやりたいのか。

→正社員になるということは、どの職種でも、全国どこにでも行って店舗の売り上げに貢献して、いつかは支店長を目指します(or 本社で企画など)、ということ。

※同期の中には、「いつかは支店長になりたい」と入社時点で目標を掲げている人がいました。

※同じクラスの友達は、フィットネスでスタジオレッスンをしていがましたが、テニス経験者であったため、テニス配属されていました。

◆フリーのインストラクターやトレーナーになりたいのか。

→内定のあと、契約社員(最長5年)だが、フィットネスセクションとおおよその勤務地を選べ、月給30万円賞与なし、の雇用形態を選べる選択肢がありました。結果的に僕がやりたかったことは、店舗の経営ではなかったので、こちらを選べばよかったかな、と思っています。

【働く場所】

・全国どこにでも行く覚悟があるのか、東京にいたいのか、地元にいたいのか。見知らぬ地方配属になってでも、その会社で働きとおす意思はあるのか。なければ、全国にあるような大手に就職することは、自分を不幸せにすると思います。

【賃金】

・フィットネス業界は、一般的に年収が高い業界ではありません。有料レッスンを、日々何回もできるような、自分の武器があれば、評価されると思いますが、なかなか難しいです。高齢化社会だからこれからは健康が大事、と当時たくさん言われていましたが、金融や、大手IT企業のような収入は見込めない可能性が高いです。それでもまずは経験、と思って入社することが大事になります。個人的には、スタジオレッスンして、お客様に「すごく楽しくて、あなたのインストラクションはやりやすい」というようなことを言ってもらえるのは、本当にうれしいですし、いまIT関連の仕事をしているよりも、とてもやりがいがありました。


フリーのスタジオインストラクターやトレーナーを目指すには


①スタジオレッスン

一度、フィットネスクラブで正社員を経験しながら、その中で、インストラクターをやりつつ、時期がきたらフリーになる方がいます。(女性に多い気がします)フリーになると、1時間のレッスン3500円~5000円などが一般的かと思います。正社員は、アルバイトの方のシフトを組んだり、ファシリティの管理をしたり、雑務がたくさんありますので、アルバイトのまま、たくさんやりたいインストラクター業務に専念して、人気を得ていく、という方法もあるかもしれません。

・コミュニケーション能力 

・ビジュアル / フィジカル(体のキレ)

など人気の方は抜群に長けていて、芸能人のようにかっこいいです。

(男性はスタジオだけで家族を養うのは本当に難しいと思います)


②マシンジムなどでのパーソナルトレーニング

僕は、好立地で高所得者がたくさん住んでいる地域のフィットネスクラブで働いていることがありました。そのような場所で働き、コミュニケーション能力が高いと、パーソナルトレーニングで生計を立てていける可能性があります。1時間8000円のレッスンを、1日6本以上、毎日のように予約が埋まっているような方もいました。10万円くらいのの回数券も、どんどん売れます。パーソナルトレーナーは、男性のほうが人気が出るような気がします。僕からすると、「毎回パーソナルでお金払わなくても、自分でトレーニングできるんじゃないかな」と思ったりするのですが、筋トレ+コミュニケーションを求めて、いらっしゃっている方も多数いました。

お客さんがつくと、自分のスタジオを作って、そちらで治療+トレーニングといった経営ができる可能性があります。


まとめ


専門学校よりも、大学に進んだほうが選択肢は広がります。大学では絶対に嫌(もしくは無理)、という思いになってから専門学校は選択肢に入れていただくとよいと思います。
正社員になって店舗の経営がやりたいのか、フリーのインストラクターやトレーナーよりのことをやりたいのか、就職前に明確にしておくとよいと思います。
自分のスタジオレッスンを楽しみにしてくれて、その方の生活の一部になれることは、大変やりがいがあって嬉しいことです。レッスンの準備は怠らずに、開始前など、お話好きな方とはたくさんお話して、信頼関係を深めていただけるとよいかと思います。


以上です。ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!就職活動がんばってください^^



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?