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ネガティブフィードバックの上手な受け取り方。

こんにちは。スポーツメンタルコーチ橋本(@hashimotoyuro)です。プロからアマチュア、学生まで様々な競技のアスリートのメンタルサポートをしています。またSpaceというオンラインサロンで運営事務をしながらコンテンツを作ったりもしています。

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指導者との関係を悩むアスリートが非常に多いです。その悩みの多くは、自分のプレーや行動に対するネガティブフィードバックに関することです。確かに、厳しい注意や怒られるといったことは決して気持ちがいいものではありません。時には反発したり落ち込んだりもすることもあるでしょう。

選手のメンタルの問題として話を聞いているとよく感じることがあります。それはコミュニケーションの不具合の原因が発信者側だけにあると感じてしまっているということです。もちろん発信者側に問題があるケースは非常に多いです。指導をしているつもりでも、ただの暴言になってしまっていたり、メンタル的に不適切なフィードバックをしているケースもよく耳にします。しかし、よくよく話を聞いているとそうでないケースもあります。

コミュニケーションの基本のキに戻ると、そこには必ず発信者と受信者がいます。だからこそ一歩立ち止まって、「どんなふうにすれば自分自身により良い受け取り方ができるだろうか」と考えることは、自分の成長にとって大きくプラスになります。コミュニケーションの不具合の原因を相手に押し付けることで成長の機会を逃してしまうのは勿体無いですよね。

また、指導者というのは他人です。そして他人を直接コントロールするのは非常に困難なこと。相手の言動を変えようとしても、余計なストレスを生むことにつながり、関係が改善されることはあまりありません。我々人間にとってはコントロールの効かないことを頑張り続けるのは大きな損失です。

どんな時でも「自分自身にできることがある」というのはメンタル的にも重要な力になります。だからこそ、コミュニケーションの不具合の原因は互いにあるかもしれないと思う余裕を持ちたいですよね。

そのアドバイスは自分にとって必要か?

受信側ができることの一つに「自分にとって必要な情報の取捨選択」があります。ひとくちに指導者からのフィードバックといっても、その情報が必要かどうかは選手によって違います。

以前、高校3年生の野球選手とのコーチングでうまくいかない原因を探っていったところ、月に一度しか来ない野球研究者の方のアドバイスを信じすぎてしまっているということが根本にありました。

その方の言っていることが正しくないというわけではなかったのでしょうが、関わりが非常に薄い方が一瞬みただけのアドバイスでは、長年培ってきたフォームを崩すだけになってしまっていました。その方が選手に対して丁寧にヒアリングして、継続的に関わっていたならまた別だったとは思うのですが…

選手には「鵜呑みにすることが素直な姿勢ではないよ」ということを伝え、その情報が本当に必要な情報なのかどうかを一緒に考えました。その時の結論としては、一旦そのアドバイスは忘れ自分が一番振りやすい方法でバッティングをしてみるということに。その甲斐もあってか、春先に調子を崩していたにも関わらず、夏の打率は非常に良いものになったと喜んでいました。

選手のスポーツをする時、最後は自分自身で判断を下さなければなりません。プレーの決め手は自分自身です。そう言った意味では、自分の頭で考え判断する力は日常から育てることがおすすめです。アドバイスは所詮アドバイスにしかなりませんからね。

ネガティブフィードバックの取捨選択

このような例を踏まえた上で、やはりネガティブフィードバックにも取捨選択は非常に重要になります。ということでどのように選ぶかを私なりに分類してみました。

1.役に立つ批判やアドバイス
冷静になって考えたうえで、自分の成長に役立つかもしれないと思うならば、その意見はきちんと大切にしましょう。言われた時には悔しかったり怒りがこみ上げることもあるかもしれませんが、その気持ちは成長には必要なパワーになります。「良薬口に苦し」というのこのような時のためのコトバかもしれません。次はどうしようかなと具体的な改善策に繋げてください。
2.役に立つ??批判やアドバイス
一見役に立たないと思える意見や厳しい批判も、「役に立つかもしれない」「伝えたいことはなんだろう」と吟味するのは非常に大切です。信頼している方からの意見であれば、挑戦してみるのもありです。しかし、もし「違うな」とか「今じゃないな」と感じたのであれば、それをやらないと決めるのも一つの選択肢です。いつか役に立つかもしれないなら、頭の片隅に入れておく程度でもいいかもしれません。あとから、理解できるということも十分にあります。
3.人格否定などの暴言や誹謗中傷
こちらに関しては役に立つことはほとんどありません。スルーして差し支えないでしょう。反省しているフリや「あー怒られてるなー自分。」と自分を客観視するのもありです。難しいことかもしれませんが、これらの言葉にあなたの心をいちいち動かす必要はないと覚えておいてください。

書いてて、もっと色々分類できそうだなと思ってきました…
もしかしたら分岐ツリーみたいなもので整理してみても面白いのかもしれない。

時には一度に混ざったフィードバックを受けることもあるかもしれません。その時も、耳を傾けながら「役に立つとしたらどれかな」と思いながら、必要な情報だけを残すというのは一つのテクニックです。

結局重要なところは、次の具体的な改善策につなげるということです。ここを守れば、ネガティブフィードバックの受け取り方を工夫して、自分の心を守ったり、成長につなげたりすることは可能です。

ネガティブフィードバックに優先順位をつけて、上手に付き合っていきましょう。



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