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発達支援におけるチェックリストの役割 -支援者はチェックリストに縛られているのか-

市民の人権擁護の会日本支部代表世話役の米田倫康という方が、雑誌「致知」に「子供たちの心と体をいかに守るか」と題して寄稿されています(致知2024年2月号)。

米田氏は、発達障害の過剰診断や、不適切な医療介入による子どもたちの生活への影響を問題視しています。また、教育現場でのチェックリストに基づく診断の広がりや、医療機関の乱立への懸念を通して、精神医療における人間の尊厳や、子供たちの個性を重んじる視点の大切さを強調されています。

記事を読んで、私たちがいかにチェックリストのようなものに縛られているかが改めて認識できます。あたかもチェックリストが絶対的なものであるかのように、チェックされた項目が多いと医師でもないのに何らかの診断めいたことをしてしまう。

記事にもありましたが、病気があるかないか、どのように治療するかという目線の医師と、個性を尊重し、伸ばしたり、コーディネートしようとする発達支援する立場では役割が違います。それは、子どもたちに与える影響も違うということです。

しかし、医師の診断や、チェックリストなどである程度のあたりをつけて個別支援計画を作成していくことは、私は必要なことだと思います。無作為に支援を始めるより効果的だと推察できるからです。実際、アセスメントにおいて何らかのチェックリストを使用することは多くのケースで考えられます。

同時に、医師の診断やチェックされた項目の多さを突きつけられた時の本人や保護者さんの感情に寄り添うことも大切です。

一方で、そうはいっても子どもの発達支援になるのであれば、ただそれらから目を背けるだけでなく、本人や保護者さんとそれらを共有し、共に考えていくことも必要です。

診断が必要な人もいます。何が正しく、何が間違っているかを判断することは難しい。ただ、子どもたちや利用者さんの側に立つこと、支援する側に立つことのどちらも大切にしていきたいと改めて考えさせられる機会となりました。


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