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公園での遊びで子どもの「やだ」には「静」と「動」のカラクリを知ることが重要

子ども達と公園に遊びに行って、親や指導者の方達は子ども達に楽しい時間を過ごしてもらいたいと思い、色々な提案をします。

でも、どんな提案をしても「やだ」という反応が来てしまうことも…。これを解決するためには子どもの「静」と「動」の欲求を理解することが解決の糸口になります。

「静」と「動」

子どもは、ひとくちに「遊び」といっても、いろいろは遊びがあります。昆虫採集、花で色水づくり…と種類を挙げたら膨大な数になりますが、ざっくりと仕分け作業をすると「静」と「動」に分けることができます。

子どもが「静」の遊びがしたいのに大人が「動」の遊びを提案しても、子どもの答えは当然「やだ」になります。

逆に子どもが「動」の遊びをしたいのに大人が「静」の遊びを提案しても、子どもは当然「やだ」になります。

つまり、子どもが今「静」と「動」どっちの遊びを望んでいるのかを知ることが重要です。

「静」のあそび

「静」の遊びは、その場に留まったり、あまり大きくて激しい動きをしない遊びのことというふうに、僕は分類しています。「静」の遊びは、例えばこんなものがあります。

・花や木のみ集め
・穴掘り
・泥団子づくり
・おままごと
・ムシの観察

遊びの方向としては、「集中」していく感じで、子ども達は「静」の遊びをはじめると、どんどん尖った、深い方向や横展開の遊びに変化していくので、遊びの終わりは子ども達が「次!」となるまで続きます。
どれも魅力的な遊びなので、一度「静」の遊びモードに入ると、もう大人にとめることはできません。

「動」のあそび

「動」の遊びは、イメージ的には全身を使ったり、筋肉を使ったりとアクティブなジャンルというふうに僕は分類しています。遊んでいるときに、汗がダラダラでるような感じです。「動」の遊びは例えばこんな感じのものがあります。

・虫とり
・木登り
・鬼ごっこ
・坂道を走って下る / 転がる / 滑る
・探検ごっこ

「動」の遊びは「発散」されていくので、子ども達はどんどん解放されていきます。「動」の遊びは、変化をしつつもどんどんアクティブでちょっと危険な方向に変化していくことが多いです。
こうなると、子ども達にとっては楽しさが増していく一方です。こちらも大人が簡単に止められるはずがありません。

「静」と「動」のバランスが大切

はじめの話しに戻りますが、子どもが「動」の遊びを”今”求めているときは、「動」の遊びを提案すると子どもはきっとその提案を受け入れてくれます。同様に、「静」の遊びを”今”求めている子どもには、「静」の遊びを提案するのがベストです。ただし、その提案が子ども達にとって楽しいと思える内容である事が前提です。

「静」と「動」=「集中」と「発散」という風に理解するのもひとつの手です。発散したいのに、集中しようといっても子どもからすれば受け入れがたい提案というわけです。

ただ、怪我への発展、熱中症や脱水症、時間、学んで(体験して)欲しいという思いの問題…などなど、子どもや自分に対して大人が気にしなくてはならない事情もあります。そういうときは、「静」か?「動」か?まずは子どもが求めている方から入って、満たされたところで逆の遊びの展開をするのもひとつの手だと思います。

また、「動」の遊びからなかなか休憩タイムに入ってもらえないときは、休憩という言葉は使わずに、「静」の遊びの提案で休憩をかねるというのも僕はよく使う手法です。

親や指導者として子ども達と自然の中で遊ぶ際に、なかなか提案が受け入れられないと感じた時は、「静」と「動」のバランスを考えながら子どもとの遊びを展開してみてください。


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この元となった本は、「ネイチャーエデュケーション」と「自然あそびで子どもの非認知能力が育つ」です。こちらもよろしければ是非読んでみてください。



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