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初夏の二十首
夏浅し 遠雷 訪のう夕まぐれ
甘夏の皮膚なお昏し八百屋かな
小手毬の花散る床に曇りあり
菖蒲酒 ことばのみ知る 味蕾かな
日本橋新茶なつかし老舗あり
麦藁の帽子手に取る五月かな
ベランダに奇想ふくらむ薔薇の苑
夏きざす肌にやさしき綿衣かな
桐の花 任天堂の株の行く末
保育園の葉桜見逃す空白の時
夏場所や煙のなかに消えたとや
寺の門入りて逢いし七吉三
このごろの中途半端な薄暑かな
牡丹苑見る人もなき空仰ぐ
はや夏に入りたる日に講義あり
連休は休まぬはずの店さびし
夏あさき日を懐かしむ女かな
行く末を案じて詮無し五月かな
更衣の局はいずこ恋し日の
鍵盤を走るは かの日の ミクロコスモス
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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。