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【劇評287】目に焼き付けておきたい玉三郎の揚巻。

 師走の襲名披露は、一年の締めくくり。しかも夜の部は、配役を一新した『助六由縁江戸桜』が出た。

 今月が待ち遠しくてならなかったのは理由がある。先月、玉三郎の揚巻を観ることが出来なかったからである。

 これはもちろん私の推測にすぎないけれども、玉三郎の揚巻は、これが最後になるのではないかという予感がある。衣裳が重いのは周知のことだ。藝域が頂点に達すると、揚巻のような体力的に厳しい役がむずかしくなる。私は、見納めのつもりで、歌舞伎座へ向かった。

 私が観た日の配役は、團十郎の助六、玉三郎の揚巻、菊之助の白玉、彌十郎の意休である。意休は長年、左團次の持ち役だったけれども、今回は彌十郎が初役で勤める。玉三郎の悪態を受け止めるだけの力量と貫目がそなわった意休で、新しい時代の到来を思った。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。