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藤田俊太郎への聞書きを再読して思うこと、いくつか

 今回、「権力と孤独 演出家蜷川幸雄の時代」を書き進めるために、2016年9月12日に藤田俊太郎さんと行ったインタビューを再録した。

 五年も前の、しかも、全体を公開する前提ではない取材である。もちろん、掲載に関しては、藤田さんの了解を取ったが、彼は、別に事前に見せて下さいなどとの条件をつけなかった。

 筋からいえば、藤田さんの所属事務所の舞プロモーションに事前の了解を取るべきだったのだろう。ただ、舞プロは藤田さんの師、蜷川幸雄さんの所属事務所でもあった。そのため私も浅からぬ縁があったので、特に断らずに掲載してしまった。

 五年前のインタビューで、話題は蜷川幸雄に終始している。それにもかかわらず、近年、水際だった活躍を見せる演出家の修業時代とその折々の考えが、よくわかった。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。