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藤田俊太郎の進撃

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演出家藤田俊太郎の仕事についてふれた記事を集めました。蜷川幸雄の演出助手として10年学び、デビューは遅くなりましたが、その後の快進撃はご存知の通りです。
このマガジンは、俊英、藤田俊太郎の演出作品とその周辺についての記事を集めました。近年の仕事をみつめ… もっと詳しく
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記事一覧

【劇評335】ミージカルの最前線。三浦透子の深く、悲しい演技と歌唱。人間の心の闇を…

 傷痕は、誰のこころにも刻まれている。  藤田俊太郎演出の『VIOLET』(ジニーン。テソーリ…

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長谷部浩
11日前
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【劇評321】女優六人で演じられる『東京ローズ』は常識を疑う意欲作となった

 新国立劇場が、フルオーディションによるミュージカル『東京ローズ』を上演した。スウィング…

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長谷部浩
4か月前
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【劇評315】『RAGTIME』は、不安定な私たちの時代をあからさまにする。

 私たちは、ラグタイムの時代から、進歩したのだろうか。それとも、懲りることなく、墜落をや…

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長谷部浩
7か月前
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高橋一生、その光と影

 現在、東京芸術劇場で上演されている『兎、波を走る』(野田秀樹作・演出)で、高橋一生は、…

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長谷部浩
10か月前
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【劇評298】幼い子を亡くす。いつの世も変わらぬ痛みを掘り下げた『ラビット・ホール…

 幼い子供を事故で亡くした夫婦は、日常を取り戻すことはできるのか。  『ラビット・ホール…

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長谷部浩
1年前
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【劇評281】花村想太の出世作となった『ジャージー・ボーイズ』チームグリーンのドラ…

 中川晃教のヴァリーを擁して『ジャジー・ボーイズ』(藤田俊太郎演出 小田島恒志訳)は、再演…

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長谷部浩
1年前
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沈黙は金ではない。沈黙は死である。久し振りに演出家藤田俊太郎と対話して。

 演出家の藤田俊太郎さんと、公の場で話す機会があった。  この五月、場所は、東京藝術大学上野校地第三講義室。  印象に残った話がいくつかあるので、ここに書き記しておく。  まず、コロナ禍の公演中止について。確かに藤田さんは、全面的な公演中止や打ち切りなど大きな被害を受けた演出家だと思う。振り返って「政府に演劇は必要がない」と彼は感じたというのである。  この感想は演劇関係者や百貨店関係者に共有できる。なにか愚劣な政府、都の上層部が、演劇や百貨店をやりだまにあげて、自分の

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村井良大、spiによる『手紙』に、ミュージカルの可能性を読む。

 ミュージカルでは、再演は最高の勲章となる。トニー賞には、ベストリバイバル部門があるし、…

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長谷部浩
2年前
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【劇評222】ゴミ袋から発見された赤子は、路上生活者を救うか。藤田俊太郎演出『東京…

 生まれたばかりの幼子ほど、保護を求めている存在はない。また、ときに、幼子は、奇跡を呼ぶ…

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長谷部浩
3年前
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藤田俊太郎への聞書きを再読して思うこと、いくつか

 今回、「権力と孤独 演出家蜷川幸雄の時代」を書き進めるために、2016年9月12日に藤田俊太…

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長谷部浩
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藤田俊太郎 師・蜷川幸雄の思い出。その6(完結編) 蜷川幸雄と女優。大竹しのぶとの葛…

長谷部 蜷川さんは、唐十郎さんとか清水邦夫さんには、かつて恩があると思っていました。劇作…

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長谷部浩
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藤田俊太郎 師・蜷川幸雄の思い出。その5 俳優の力を真正面から問う。よい演出家の条…

藤田 蜷川さんの場合、俳優に対する怒るパワーを持ってる愛の強さと同時に、これは素晴らしい…

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長谷部浩
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藤田俊太郎 師・蜷川幸雄の思い出。その4 蜷川幸雄の怒りは、なぜ激烈だったのだろう…

長谷部 率直に言うと、「カリギュラ」とか「リチャード二世」は例外的で、やはり晩年になると…

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長谷部浩
3年前
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藤田俊太郎 師・蜷川幸雄の思い出。その3 ゴールドシアターのプロンプとして学んだこと。稽古場で自分の居場所を見つける。

長谷部 稽古場の蜷川さんについて、僕は「グリークス」のときは毎日見てたから、そのくらいまではよくわかってるんだけど、やっぱり、ずっと批評家がいるわけにもいかないから、あんまり行かなくなって、そこから現場で起こっていることは、よくわからなくなっちゃったんだ。2000年周辺と、それ以降を比べると、もっと忙しくなったよね。作品数が増えたでしょう。 藤田 たまたまだと思うんですけど、蜷川さんはそれも頭にあったと思いますね。「このままじゃ助手の人数が少ないな」って。たくさんいたんです

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