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長谷部浩の俳優論。

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歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。
劇作家よりも演出家よりも、俳優に興味のある方へ。
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2023年12月の記事一覧

【劇評321】女優六人で演じられる『東京ローズ』は常識を疑う意欲作となった

【劇評321】女優六人で演じられる『東京ローズ』は常識を疑う意欲作となった

 新国立劇場が、フルオーディションによるミュージカル『東京ローズ』を上演した。スウィングをふくめ七名の女優のみを選んだところで、この舞台が意欲的な作品であるとわかる。

 私の世代にとっては、ドウス昌代によるノンフクション『東京ローズ』がなじみ深い。
 今回のプロダクションは、二○一九年にエディンバラ・フェスティバルで初演されたミュージカルを基にしている。バーン・レモン・シアターによるオリジナル自

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猿之助の懲役三年、執行猶予五年の判決確定を受けて。思うこと。

猿之助の懲役三年、執行猶予五年の判決確定を受けて。思うこと。

 懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役3年)の判決を、重いと思うか、それとも軽いと思うかは、判断がむずかしい。
 四代目市川猿之助の舞台復帰が前提としてあるのであれば、執行猶予5年は、重く受け止めるべきだろうと思う。
 松竹は興行会社である。

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