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企業Twitterは軟式からチームの時代へ。じゃあ中の人これから何するの?

企業Twitterといえば「軟式アカウント」が流行った時代がありました。

【軟式Twitterの特徴】(例:シャープさん)
・企業だけど堅苦しくない。人間味がある
・Twitterの文脈に乗ったネタやリアクション
・個人アカウントのような中の人の自由でアイデアのある投稿

いま、軟式アカウントは「ハイリスクローリターン」?

そう思うきっかけは、企業アカウントと他アカウントとの絡みが「気持ち悪い」「私物化している」と炎上したことでした。

ちょうど同時期、こんな記事も出ました。

日本の企業アカウントの動きを見ていても、例えば「中の人」たち同士が内輪ネタで盛り上がったり、場合によってはフォロワー数で半ばマウントを取るような行為が、徐々に反感を買い始めている中、アメリカのような形で、軟式アカウント自体がオワコン化に向かって進んでいく可能性も否定はできない。
ウケ狙いの「ゆるい企業SNS」がオワコンな理由

企業軟式アカウントのデメリット
・制約が多く、難易度が高い
・属人的になりやすく中の人がいなくなると運用できなくなる
・企業ブランディングを阻害したり、私物化扱いにされる可能性
・一定のクラスタ以上に広がらない
・人間味を出し過ぎると「気持ち悪い」と言われる

代わりに増えてきているなーと感じるのは、組織に所属する個のTwitterやnote活用。

プロフィールに企業名を入れたアカウントの台頭

テテマーチ・Goodpatch・ベーシック・ベイジ・ナイル…etcなど、プロフィールに企業名を入れつつ、個人として情報発信するアカウントが増えてきています(例ではBtoBが多いですが、BtoCも増えている気はします)。

これまでの企業アカウントとの拡散との違いは

「1:N」→「(1:1)✖アカウント数」であること。

アカウントごとに違うクラスタ(=似た属性や共通点を持った集団)にリーチすることで、多層的に拡散されるようになりました。

そして、その中でも「チーム」を意識して、アベレージ高く、会社の話題を拡散しているのが、テテマーチ・Goodpatch・6curryの3社です。

Twitterでの話題を生み出すのが上手いテテマーチ

SNSを軸とした企業のコミュニケーションプランニングの行っているテテマーチ。領域としてはInstagramが強いですが、Twitterでの発信に積極的なメンバーも多い印象です。

【テテマーチのTwitterで最近話題になったコンテンツ】
●メンバーイラストが入った企業年賀状をSNS上で公開。同時にそのイラストを個々のメンバーアイコンに
●RTするとおみくじの引ける「はたらきみくじ」
●テテマーチをそろえるスロット

圧倒的な量の幅広い知見を生み出すGoodpatch

Goodpatchは、note・オウンドメディアなどの情報量、そしてイベントなどで自社の知見を恐ろしい量とスピードで公開しています。

デザイン領域以外に組織やHRなど、セクションをまたいで「有益な情報を生み出す」ことに長けています。

オフラインの場を通じてUGCを生み出す6curry

"混ざるを楽しむカレーコミュニティ"を掲げている月額会員制カレー屋6curry。飲食店なのに、Twitter上には毎日ものすごい量の「6curry」のUGCが生まれ、拡散されています。

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(Makuake|【SNS話題】カレーでつながるコミュニティキッチン6curry渋谷店初代会員募集より引用)

6curryは、UGCの捕捉から拡散がめちゃくちゃ速いのですが、TwitterとSlackを連携させて、運営メンバーが拡散させる仕組みができているそうです。

じゃあ、これからの公式アカウントは何をするの?

これら3社のアカウントの共通点は

1.個々のアカウントで独自の環世界ができている(あくまでも個人アカウントの延長)
2.キーワードの捕捉・拡散までが速い
3.会社を話題にするネタが安定供給されている

だと思います。

このあたりを踏まえて、2020年の企業公式アカウント(中の人)の運用を自分なりに考えてみました。

これからの公式アカウントの運用
1.メンバーが拡散する種を作ること
2.再現性の高いリアクションをすること

運用1.メンバーが拡散する種を作ること

UGCを発生させているポイント
テテマーチ:投稿したくなるネタ・ウェブコンテンツ
Goodpatch:知見をnoteやイベントで公開
6curry:口コミしたくなる体験の場を創出

Twitterの重荷になるのが「ネタ不足」。

日々のツイートに困らないネタを提供する「裏方、仕入れ業者」になるのが公式アカウントの役割。そして、メンバーが、そのネタをそれぞれの方法を咲かせ、多層的に情報やブランドを浸透させます。

会社の特性に合わせてやり方は変わる
●拡散されるアイデアやクラフトに自信がある→テテマーチ型
●体系化された知見がある・イベント登壇が多い→Goodpatch型
●UGCの発生しやすいオフラインの場やコミュニティを持っている→6curry型

運用2.再現性の高いリアクションをすること

公式アカウントの良さは、やはり「THE 公式感」!

公式アカウントのコミュニケーションは「リアクション」だけでも、かなり有効。

「面白い投稿」をするよりも「公式にいいねされた、返信された、拡散してくれた!」というエンゲージメントの強化は、ローリストミドルリターン。

そして、リアクションは、軟式運用に比べて、再現性が高い!「NGルール」さえ決めておけば、誰でも運用できるので継続性があります。

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これからきっと、デリバリーをチームが、クリエイションを中の人が、そんなチームの時代が訪れます。

日々の運用に悩む中の人、これから情報発信を始めるマーケター、Twitterを活用したいビジネスパーソンのアイデアのご参考になれば幸いです。

ぜひ、まずは「テテマーチ」「Goodpatch」「6curry」に関連することをつぶやいて体感してみてください!(スパムは迷惑なのでやめましょう)。

↓Twitterもやっています。


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