世代や年齢を超え、地域で共に育ち、ホッとできる子どもの居場所の大切さ
2018年に旧長谷子ども会館が閉館した後、私たちは、子ども会館や隣接するつくし公園でよく見かけていた子たちを地域でみかけなくなったり、子どもが自宅や友人宅で過ごすことが増えたり、異年齢や学校以外の子、地域の人とのつながりや関係の広がりが、ぐっと少なくなってしまったように感じていました。
何かできることはないかと話し合い、再開を求める署名活動を行いました。
集まった2,173筆の署名を、5名の市議会議員の署名とともに、請願書として市議会事務局に提出して無事に受理。「1ヶ月弱にて2,000名を超える署名を集められたのは、素晴らしい!」と議員の皆様から感嘆の言葉を頂き、更に、党派、会派を超えて5名の市議会議員の皆様から賛同を得られたことも快挙と言われました。請願書は委員会ののち、本会議でも採択されました。最終的な署名数は2,301筆になりました。
その後、公的不動産活用課の職員の方に話を聞きに行ったり、隣接する公園の草取りイベントや子どもたちのお絵かきイベントを実施したり、講演会・意見交換会を企画し実施したりしました。講演会・意見交換会では、加藤彰彦氏 (沖縄大学名誉教授) 、池田雅之氏(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)のお二方にご講演いただいたほか、鎌倉市役所各課や鎌倉市議会議員の方々、地域の方々から遠方の方まで100名を超える方々にお越しいただきました。
神奈川新聞とタウンニュースに掲載された様子↑
その後、鎌倉市のサウンディング型市場調査が行われたりもしましたが、特に目立った前進はありません。
昨年12月に「閉館から一年半経った今、改めて、地域の皆さん、子どもたちの声を聞かせていただき、その声を鎌倉市や今後活用に関わる人達に届けられないか。その声をふまえて、今後の活用を考えてもらいたい。」という思いでアンケートを企画しました。アンケート結果は報告書として資料にまとめ、今年2月に鎌倉市(市長室秘書課・公的不動産活用課・こどもみらい部青少年課・地域共生課)に提出しました。
このアンケートには、計280名の方々から回答を頂き、「今も利用できたらいいなと思う」という回答が99%でした。それはどんな時か?という問いには、友達と遊びたい時、雨の日、暑い日寒い日に利用したいという声が特に多く、また保護者からの回答の8割近くが「子どもを預かる・預けるとき」に利用したいという声が多かったことから、保護者にとってこの場所が自然な「預かり合い」の場所であったことがよくわかる結果となりました。
アンケート調査を行って、世代を超えた多くの方が、旧長谷子ども会館が「子どもの居場所」として再び開かれることを希望していることが分かりました。
また、旧長谷子ども会館は、世代や年齢を超えた繋がりが生まれる場所になっていたことや、地域住民による育児の共有を可能にする場所だったこと、どんな子どもも置き去りにしない多様な選択肢を持つ場所だったことも再確認する結果となりました。
加えて、多くの地域の方々のご意見から、歴史的な建造物に子どもの居場所があることは「鎌倉らしい子育て」を象徴するものであったことも分かります。
アンケートの中に、長谷子ども会館は「こわく、きつくちゅういされなかった」場所であったという子どもの意見がありました。この言葉からは、子どもが見守りの大人や市や地域の方々、周りの保護者に囲まれて、安 心して過ごせていたことがうかがえます。
市内でも少子化が進み、子ども達の遊ぶ環境には制限が多く課されています。公園でも、街中でも安心し て自由に過ごすことができない子どもたちにとっての「ホッとできる場所」の重要性を改めて考える機会になり ました。
2301 名の請願書に続き、一年半経った今回のアンケートでも、地域の方から多くの声が届きました。これ から旧長谷子ども会館が、どのような形で再び地域に開かれていくのか、市と市民で対話を重ねていくこと で、鎌倉らしい活用方法が見出せるのではないでしょうか。地域の子どもや大人の声を活かし、市民に必要とされる子どもの居場所づくりが進められることを願います。
詳しい報告書は以下にアップしますので、よかったらご覧ください。
これまでの活動の様子はFacebookにまとまっています。こちらもよかったら見てもらえるとうれしいです。
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