ついさっきマッチングした彼と行く、京都夜景の旅。
これのつづきです。
では、どうぞ。
さて問題です。
ここどーこだ?
正解は・・・
大文字焼きの「大」の字のクロス部分でーす☆
ここでーす☆
ー死ぬかと思った。本当に。
今回改めて学んだことがある。
①初心者が夜に登山をしてはいけない。
②30代の(特にharuyaの)体力の低下を侮ってはいけない。
京都旅行1日目、夜。
いろんな大人の事情とマッチングアプリ的な経緯があって僕なんかと夕食をともにしてくださる方が見つかった。
おすすめの中華料理屋で晩飯を頂く。
本格的な麻婆豆腐が、旨い。
彼が、夕食後に夜景を観に行こうと誘ってくれた。何も知らない僕は、「オッケ〜⭐︎」と返事をした。してしまった。
「よし、行きますか。」
というと、彼は頭にライトを着けた。
ご飯を食べている時は気にしていなかったが、彼は割としっかりめに登山に行くような格好をしていた。
登山靴にリュック。
インディージョンズみたいな帽子。
そして、今つけたヘッドライト。
それに対し、僕は半袖半ズボン。
靴下から下着まで全部ユニクロ。
それらに加えて、腹回りには生きていく上で必要な量を遥かにオーバーした脂肪を携えている。
彼の本格装備に一抹の不安を覚えつつも、
「ついさっきマッチングした彼とゆく、京都夜景の旅」がスタートした。
とにかく歩く。歩く。すでに辛い。
開始1分で永遠に追いつけなさそうな距離が開く。
服装だけでなく、彼は実際に坂道を進むのも速い。
見た目だけでなく、僕は実際に平坦な道さえ遅い。
なんとかついていく。くらいつく。
なぜそんなに速い?すごくない?と思い、彼に聞いてみる。
「どんな部活してたの?」
「あー山の中をひたすら走ってタイムを競う部活ですね。」
はい、ストップ〜。ちょっとまって、
山の?中を?走る?ひたすら?
こちとら平らなところを走るのすら辛いのに??
ていうか、その部活なに???
疑問と不安が止まらない。
とにかく歩く。歩く。
暗くなった学生街をぬけ、山道へ。
もうすぐ夜景かな〜?
おじさん息上がってきたぞ〜?
きついぞ〜?
といういくつかの思いを、
膝に手をつき、息も上がりながら、
「あとどのくらいカナ?」の一言に込めて聞く。
「ここから山道スタートですっ!!」と、彼。
ア、無理無理無理!全然ムリで〜す⭐︎
しかし、「夜景めちゃ綺麗なんで!」
と語るまっすぐな目を見たら今更ながら引き返せない。
ノーと言えない男。haruya。
斜面を登っていく。
何度か転びそうになりながら。
数メートルごとに、
「だめだ、もう無理かも。あとどのくらい?」と聞く僕。
その度に「今全体の何%くらいです!夜景めちゃ綺麗なんで!」とまっすぐな目でちゃんと答えてくれる彼。
「僕のことはもういいから、、、!!あなただけでも先に進んで、、、あなた、だけでも、、、。」と心の中で思う。
普通の人だったらなんてことない山道なのかもしれない。
実際、かなり軽装で登っている元気な学生ともすれ違ったし。
でも僕は、元気な学生どころか、普通の人どころか、運動不足な30代(脂肪多め)なのでほんとにキッツい。
山道だ。もちろん街灯なんてない。
唯一の明かりは彼のヘッドライト。
それを頼りに上へ。上へ。
柵などがないところもある。
すぐ横は、崖
(か、どうかは暗くてよく分からないが、僕には何10mも下につづく絶壁のように感じられた)。
正直なところ、途中からもう夜景とかどうでもよくなって、とにかく山道から滑落せずに生きて宿に戻ることだけを考えていた。
明日、宮島で生牡蠣食べるまでは死にたくない!!!!!
途中、「アレ!帽子がない!」と彼がインディーンジョーンズ風の帽子を探しに行った。
ライトを持たずに1人取り残された僕は、
辛い、暗い、怖い、という状態で思考が停止し、体育座りで「あ、来世は鳥になりたいナ⭐︎」とかよくわからないことを考え始めていた。
汗だくで死ぬほど息が上がり、ほぼ妖怪になった僕を見て、彼は「すみません、すみません。」と繰り返していた。連れてきてしまってすみません、と。
いや、今思えば、妖怪になった僕をなんとか成仏させようとしていたのかも知れない。
すみませんなのは僕の壊滅的な体力の方です。すみません。
最終的に、彼のおかげでギリ死なずに登頂。
もう体力&精神力ゼロの僕。
あー、はいはい、夜景ね。
いちおう見ますよ。はいはい。
まぁ、せっかくきたしね、はいはい。
と、最悪な態度で夜景の方を見る。
綺麗な景色を見るとほんとにため息って漏れるんですね。
夜景とかもういいよとか思ってごめんなさい。
ありがとう連れてきてくれて。
綺麗な景色を見て、思う。
来世も人がいいでーーーーす!!!!!!!
本当に感謝です。良い思い出になりました。
「この、ブロックみたいなの何かなー」
「それ大文字焼きの『大』のクロス部分ですよ。」
「え、僕はいま大文字焼きのクロスしているところにいるのか、、、。すごい。」
お母さん。可愛い子に会うために京都に来た僕は、いま、大文字焼きのクロス部分にいます。
夜景を観ながら語って、下山。
そして、お別れ。
最後まで優しく連れ添ってくれた彼。ありがとう。遠くから来た僕に京都の夜景を見せようと思ってくれたんですよね。
僕が君の立場だったらあんな妖怪は山道に放置してさっさと帰ります。
別れ際、なんとか人間らしい様相に戻り、
「仕事がんばってね。また会おうね!」なんて本日2回目の年上感を出すことに成功した、と、思う。
彼は最後まで、すみませんすみませんと繰り返し
ていた。
そんなに謝らないで。大丈夫。
食べたりしませんよ。僕はもう人間です。
もしよければ、広島編もどうぞ。
読んでいただけたら僕のダメ人間ぶりが、分かります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?