33歳、最近の自分

別れよう。
半分に割ったチョコレートの大きい方を私にくれたでしょう？
だから、別れた方がいいと思うんだ。私たち。

なんの映画だっけ。そのシーンだけ覚えてる。
観たのは１０年以上前。学生の頃。たぶん。
その時は、頭の中にハテナがいっぱいで、
なんで？フツーにおっきい方が良くない？？って状態だった。
歳を重ねたら意味が分かるのかな、
なんて思ってた。

こないだ３３歳になった。
でも僕はやっぱり半分に割ったチョコレートの大きい方をくれる人が好き。
だって美味しいじゃん、チョコレート。

僕は未だにチョコレートが好きだし、
ポップでキャッチーな女々しい歌詞の曲が大好きだし、
スタバの新作フラペチーノはとりあえず飲むし、
今日は、新発売のミスドのドーナツを食べてきた。
女子高生集団の横で。一人で。ハート型のドーナツを。
ピンクのチョコがかかってるやつ。あぁおいし。

短髪で100kg以上あって、
時々髭もあるような大男だけど、
好きなものは限りなく女子だよな、と思う。

それにしても今日のドーナツはちょっと甘すぎた。
１個にしとけばよかった（３個食べた）。
昔だったら余裕だったのに。
と、ふとした瞬間に自分もおじさんになったことを思い知らされる。

ドーナツによる胃のもたれを感じながら街をぶらぶらしていたら
昔、１度だけマッチングアプリで会った男と入った飲食店の前を通った。
当時は、なんだかよく分からないチーズとパクチーを大量に使った変な店だった。
僕が選んだ。
なんでだろ。よく思い出せない。

それが、大衆的なしゃぶしゃぶチェーンに変わっていた。
都内のベッドタウンの駅近テナントに低価格しゃぶしゃぶチェーン。
無難だなぁ。なんて思いながら、
３３歳になった僕は、無難でいいんだよ、無難で。とも思う。

あの子、結構可愛かったんだよな。また会えたのかな。パクチーとチーズというとち狂った店じゃなくて、あの時もここがしゃぶしゃぶ屋さんだったら。
なんてよくわかんないこと思ったりもして。

あ、ここまでの流れ、誰かポップでキャッチーな女々しい歌詞の曲にしてくれませんか。

中身は半分女子だし、
自分の体験談を歌にしてほしいくらい女々しいし、
気分はまだまだ若者なんだけど、
３個のドーナツで胃がもたれてしまうくらいにはおじさんで、
こんなふざけた文章をかきながら、胃薬を飲んでいる。

理想の体型を目指して筋トレしても脂肪ばかりつくし、
こないだ母親には顔のシミ取りレーザーを勧められたし、
初めて年齢を伝える時には、１歳だけサバを読んでしまう自分がいる。

その１歳になんの意味があるのか分からないけれど。
なんだか大事な１歳な気がして。
あ、最近僕に年齢を聞いた人、プラス１歳しといてください。

若者とおじさんの間で揺れている。
女子とおじさんの間で揺れている。
理想と現実の間で揺れている。
そんな感じ。最近の自分。


そういえば、冒頭の映画。なんだったんだろ。
やっぱり僕はおっきい方でもちっちゃい方でもいいからさ、
チョコレートを半分こできる人、募集中です。