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【モノローグエッセイ】第75回トニー賞を観て。

☆やっぱりミュージカルって最高な。

去る6月13日、日本時間の朝の8時から、ニューヨークのRadio City Hallにて、第75回トニー賞授賞式が行われた。


トニー賞とは、アメリカン・シアター・ウィングおよび全米劇場プロデューサー連盟により授与される、アメリカ合衆国の演劇およびミュージカルに関する賞のこと。
受賞作品はたちまち注目の的となり、チケットの値段も上がり、世界中からライセンス契約が殺到するなんてことも。

今年も素晴らしい授賞式だった。

毎年、私は受賞予想をするのだが、今回はけっこう自分の予想が的中して嬉しかった。

受賞予想一覧(〇は的中したもの。)

特に、私が印象に残ったのは、以下の2つ。(たぶんほとんどの人が印象に残ってると思うけど(笑))

もちろん、この他にも超良かったシーンばかりだった。
春めざオリジナルキャストの「Touch Me」とか、Bebe Neuwirthめちゃくちゃ綺麗だったなあとか、MJのパフォーマンスとかParadise Squareのパフォーマンスとか!!!
 

・司会アリアナ・デボースのオープニングパフォーマンス

今年の司会者は、アカデミー賞で助演女優賞も受賞したアリアナ・デボース。今年は彼女ほどトニー賞司会にふさわしい人はいないと思っていた!

今年のトニー賞はオープニングパフォーマンスだけでも大変見る価値がある。

いや、マジで超かっこよすぎるオープニングだったよね???(語彙力)


サンキューCBS。
様々なミュージカルの楽曲をマッシュアップしたパフォーマンスで、「ああ!この曲ー!!」「わ!これはあの曲!!」と耳馴染みのある楽曲がたくさんちりばめられていた。かなりボリュームのあるパフォーマンスをダンサー陣を率いて舞台で輝く姿はもう圧巻。感動せずにはいられない。

これぞトニー賞のオープニングパフォーマンス!!!!
歴代受賞者のスピーチのワンシーンが液晶画面に映し出されたのもエモかった。(若き日のKristen ChenowethとかMichael Bennettとか。)

また、アリアナ・デボースが司会進行の中で、アンダースタディー(本番中、もしものことがあった時に舞台袖に控えている代役をつとめる役者)やステージマネージャー(舞台監督)などのバックステージでミュージカルの舞台を支える人々のことをたびたび紹介している姿にもグッときた。彼女自身も過去にアンダースタディーを経験していたこともあるそうな。
SIX The Musicalのパフォーマンスが終わった後に、ジェーン・シーモア役の俳優が今回アンダースタディーとして出演し、パフォーマンスを絶賛しながら彼女の役職の重要さについて紹介している場面が印象深かった。(私のヒアリングが正しければそう言ってた。)

本当にミュージカルってやっぱり最高と改めて実感したオープニングだった。とりあえずみんな見て。

・SIX The Musicalの楽曲賞受賞

今回のトニー賞でミュージカル楽曲賞を受賞したのは「SIX  The Musical
私が前々から推していた作品だ。


受賞が決まった時はめちゃくちゃテンションが上がった!!
個人的に推していた作品の受賞だからというのもあるが、今回のSIXの受賞はトニー賞の歴史を動かしたという声が各所で上がっている。

まず、今回楽曲賞にノミネートされていた他作品と比較すると「SIXこの中から選ばれたのマジですごいな」と実感する。

他のノミネート作品、作曲者は以下の通り

【オリジナル楽曲賞】
Flying Over Sunset/作曲:トム・キット 作詞:マイケル・コリー
Mr.Saturday Night/作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン 作詞:アマンダ・グリーン
Paradise Square/作曲:ジェイソン・ハウランド 作詞:ネイサン・タイセン&マシ・アサレ
SIX/作詞作曲トビー・マーロウ&ルーシー・モス
A Starnge Loop/作詞作曲:マイケル・R・ジャクソン

トム・キットは「Next to Normal」、「If/Then」などの作曲
ジェイソン・ロバート・ブラウンは「The Last 5 Years」、「Parade」などの作曲
ジェイソン・ハウランドは「Little Women」などの作曲
マイケル・R・ジャクソンは今年ミュージカル作品賞を受賞した「A Strange Loop」の作曲

この猛者の中、楽曲賞を射止めたSIXマジですごくない????
例えるなら、プロ野球選手相手に甲子園の高校球児が勝っちゃうみたいな?(あってるかな?)

アニメ漫画に精通してる人向けに例えると、「黒子のバスケ」の黒子テツヤがキセキの世代全員を1人で圧勝しちゃうみたいな?(これもあってるかな?)


そして最も注目すべきなのは、以下のツイートにもあるように、

製作者の
ルーシー・モスは史上最年少のブロードウェイミュージカルの女性演出家
トビー・マーロウは史上初のノンバイナリーのトニー賞受賞者
となったことである。

これはとても喜ばしいニュースだと私は思う。
今年のトニー賞は、特にセクシャリティにおいてとても開けた印象を私は受けた。表現的に間違っているのかもしれないけど(間違っていたらごめんね)、セクシャリティの多様性を重んじてるというか、良い未来の可能性を大いに感じた。


アカデミー賞のスピーチで、自身のセクシャリティについて、そして自身と同じ境遇の人々にエールを送ったアリアナ・デボース。

ミュージカル作品賞を受賞した「A Strange Loop」は、黒人のゲイの男性が主人公、そしてその心の声を表現する登場人物の中にはトランスジェンダーのキャストが出演している。(トランスジェンダーのキャストは確か助演女優賞ノミネートされてた!)

そして、ルーシー・モス、トビー・マーロウらによるSIX The Musicalのミュージカル楽曲賞受賞。


登壇した人物、作品に多様性を重要視する姿勢を大いに感じた。こういう部分を見ていると、「ミュージカルは時代を映す鏡」だと改めて思う。

人種、国籍、年齢、性別、容姿体型、セクシャリティにとらわれず、素晴らしいパフォーマンスをした人が評価される世界の可能性を私は感じた。

トニー賞に限らず、
良い方向に向かっている流れはもっと勢いを増して、変わっていってほしいなと最近常々思ってる。
色んなニュースや報道が毎日毎日どんどんどんどん流れてくるから。

そして、その良い変化の流れをつくるのは私達である。

様々な制約に縛られざるを得ないこともあるし、年齢故に理不尽にさらされることもあるが、自分が正しいと思うことを腐らせず、ブレずにキープして生きていけたらなあと思う。そう生きたい。生きる。

言うのは知性、言わないのは品性、常に磨くは人間性。

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