【詩】 朝を確認
寝違えた首に、少しうんざりしながら
わたしの朝が始まった。
昨日はあんなに寒くて曇天模様の空だったのに
今日は風も優しくて、お日さまのご機嫌がいい。
春はなんて気まぐれなんだ。
共に過ごしている植物は四つある。
新しい芽が伸びてると嬉しくて、
毎日せっせっと霧吹きをかける。
さあ、お日さまとおしゃべりの時間だよ。
ばたばたと家を出るのが嫌いなことがわかったから
できるだけ早く起きるようにした。
出勤して三日とたたないうちに
母に辞めたいと泣きついてから
結局、20年近く勤めている。
ときの流れがはやいのか、
わたしの生き方がのろいのか。
とにかく、ときは流れた。
そんな毎日のなかで、
わたしは最近の朝を気に入っている。
繰り返しの中の幸せが、わたしの中に鎮座する。
寝違えた首の、刺さる痛みを確認しながら
わたしの一日は始まった。
生きている『しるし』は
この痛みのなかにあるんだ。
晴海たお
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?