【詩】 つぶつぶの旅
小さな小さなつぶつぶが
銀河の片隅で産声をあげた。
自分が何者であるかがわからなくて
わからないことがおそろしくて
ふるえていたら、
自分とおんなじつぶつぶが集まって
一緒にふるえてくれたんだ。
真っ暗闇は嫌いじゃないけど
星に憧れていたのも嘘じゃない。
まぶしすぎて、
自分が見えなくなるのが怖かった。
どこからか降りそそぐ
あたたかな優しい眼差しは
いつもわたしを見ていたらしい。
思い出せる日がくるのか
確かでなくてもいいのなら
忘れることを約束に旅立った。
つぶつぶの旅は、終わらない。
終わらないから
いつだって今にいる。
晴海たお
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