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ヨシタケシンスケさん『あつかったら、ぬげばいい』を開いてみて


今週読んだ本(絵本)の一冊。

ヨシタケシンスケさんの、『あつかったらぬげばいい』

ヨシタケさんの絵と言葉には、力がスーッと抜けていくような、生きることが楽に思えてくるようなパワーがある。


この本を読んでも、そう思った。

「暑かったら→脱げばいい」というように、「〜なら→〜すればいい」という2コマで展開される絵本。

「〜なら」の部分には、「太っちゃったら」「誰も教えてくれなかったら」などのお悩みが入る。たぶん読むだけなら3分くらいで終わる。

それくらいシンプルに、「〜すればいい」という解を導いてくれる内容だ。可愛い表情のイラストを添えて。

日常でたまに現れる不の感情を、こんなに単純に、明快に示してくれるものに初めて出会った。「〜なら」に入る内容は、私たちのあちこちに溢れている悩みだ。

でもそんな悩みにも、「こうすれば解決じゃん」と言ってくれるのがこの本。

どんなモヤモヤも、ヨシタケさんの絵と文章によって、流されていく。

目の前に「悩み」という壁がある。そうすると私たちはその壁を砕いたり、足を上げて跨いだりして、壁を乗り越えていく。

乗り越えるには、多少なり力が必要になる。しかしこの本は、力を使わなくても乗り越えていける方法を、こっそり教えてくれるのだ。

悩みが吹っ飛んでいく、というよりも、
す〜〜っと流れていく感覚を得る。

まあいっか、と気持ちが楽になる。気持ちが楽になると、壁にも適応しやすくなる。そうすると日常が「悩み」よりも「幸せ」で溢れていくのだと思う。

ちょっと息苦しくなってきたときに、帰ってきたい場所。

私にとってこの本は、そんな存在です。


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