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きょうものがたり

新車を買って半年が経った。今日はその車の無料点検日だ。所要時間は1時間半。その間はディーラー店でコーヒーをいただきながら、ひぃばぁちゃんに協力してもらい、二人で子どもたちのお世話をしようと考えていたが、1時間半もの間キッズスペースもないお店で缶詰状態なのはさすがにちょっときついか・・・。いろんなパターンを考える。どっちにしろ体力が要る。それまではだらだらしよう。そう考え、午前からお昼すぎまでは予定通りだらだらと過ごした。

午後3時。ひぃばぁちゃんと子どもたちを乗せ、ディーラー店まで走る。

認知症のひぃばぁちゃんは、わたしからお手伝いをお願いしないと、まったく動かない。一日中テレビを見て、座ったまま居眠りする。そうして同じ位置で、母が作って持ってきてくれるごはんを食べる。少しでも刺激を与えたくて、デイサービスがない日はわたしが家から彼女を連れ出すことが多い。

ディーラー店に着くと、5分後に母が来た。自分の車に乗って。1時間半も缶詰状態はさすがにきついだろうと、追っかけてくれた。お店に入ることなく皆で母の車に乗った。

近くのコーナンへ車を走らせる。わたしも母も特に欲しい物はなかったが、ウィンドウショッピングをしよう、と母が言った。コーナンの奥の方には可愛いワンちゃんやネコちゃん、金魚や爬虫類、うさぎ、ハムスターなどがたくさんいた。子どもたちは目を光らせて喜んだ。初めて魚を見た次男は、水槽に手を伸ばし高い声をあげながら笑っていた。

どんなことでもいい。なんでもいい。今いる場所で、目に映っているモノコトで、子どもはうんと楽しもうとする。導入や誘導を手助けすれば、子どもは可能性をぐんと広げて楽しもうとする。やり方や組み合わせは無限大だ。息子たちは今日どんなことを感じたんだろう。

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夜、長男はいつもよりわたしの足元にいる時間が長かった。様子を見ていると、わたしと一緒に眠りたいようだった。一時間ほど長男の隣でごろごろしてみる。が、なかなか寝付けない様子だった。

22時。わたしだけまだお風呂にも入っていない。「お兄ちゃん、お母さんお風呂に入ってくる。眠かったら寝てて。起きときたかったら遊んでてもいいよ」そう声をかけたものの、やたらとくっついてきて離れようとしない。「いっしょにお風呂に入る?」聞くと、顔を上げてわたしの目を見てにっこり。とっても嬉しそう。今日はなんかいつもと違う。甘えたいのかな。

お風呂の中で長男に伝えた。「いつも弟のことでいっぱい我慢させてごめんね。我慢してるの、お母さん分かってるからね。今は弟も寝てるしお兄ちゃんとお母さんの特別な時間やで。いっぱいギューしよ」そう話すと、ちょっと照れつつも嬉しそうな可愛い横顔。

お風呂を出ると「おたぁたん、ねんねしよ」。いつもはわたしが言う言葉なのに、初めて息子から聞いた。眠かったんやね。

隣ですやすやと寝息をたてる二人の可愛い息子たち。明日はどんなふうに生きるのかな。わたしも明日はどう過ごそう。炊飯器や電子レンジの家電を魔法のテープで固定したいな。地震で吹っ飛んでしまうのが怖い。子どもに当たらないようにね。

そう考えながら、お白湯を片手に一日を振り返っているわたしだった。

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