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バイクを買える不思議〜ベトナムの人たちの家計術

おはようございます。
おびはるです。


ベトナムに留学していた頃
(1997年〜99年なので昔々の話です)、


私の通学手段は、
最初の1年は自転車、
次の1年はバイクでした。


バイクと言えばホンダ。


ホンダの車
(xe Honda=セー・ホンダ)
イコールバイクのこと。


1997年当時人気のバイクは、
なんと言っても
ホンダの「ドリーム」。


タイ製とベトナム製があり、
タイ製の方が高くて、
3000ドル(日本円で30万円以上)
しました。


車の輸入税が高いので、
こんな額になります。


ベトナム製はもっと安かったですが、
とにかくタイ製が
質が良いということで、
断然人気がありました。


ちなみに、
私が乗っていたのもタイ製です。


とは言え貧乏留学生。
30万以上のお金は
とても工面できません。


先輩が使っていたのを、
一時帰国するというので
借りていただけです。
ありがたや。



・・・あれ?
当時、ベトナムの公務員の
月給が50万ドン(2500円)。


まだ民間企業は存在しないので、
勤め人は全員、
国の機関の勤務です。


みんな、自分は
貧乏だ貧乏だと言います。


・・・どうして
バイクを買えていたのでしょう。


ドリームまで行かなくても、
中古のホンダのカブを買っても


(日本では新聞配達などで
見かける程度ですが、
当時カブはベトナムで大人気)


1500ドル(15万円以上)
はしていました。


ローンを組むのか?と思いきや、
それも違う。


まだローンとか信用貸しの仕組みは
当時ほとんどありません。


なので、みんな
現金一括ニコニコ払いなのです。


なぜそれができるのか?


・・・結論から言うと、
皆、公務員以外の副業を
色々持っているから。


様々な形で預金をしているから。


いざと言う時、
お金を融通し合う文化があるから。


・・・です。


まず副業。
昼間学校の先生をしている人が、
塾でも教えていたり、


国立の病院のお医者さんが、
民間のクリニックでも
アルバイトしていたり、


公安が、交通違反者にお金をせびったり、
年末になると、担当の地区のお家を
回ってお金を集めていたり、


合法・違法・グレーゾーン取り混ぜて、
いろんな方法でお金を稼いでいます。
それで合計の収入は、それなりになる。


また、貯金。
ベトナム人では、
銀行にお金を預ける習慣は
元々ありませんでした。


歴史的に、ベトナムは何回か
デノミ(通貨切り下げ)をしていて、


手元の現金が一瞬にして
紙くずになる経験を
みんなしてきているので、


そもそもベトナムの通貨を
信用していないとか、
銀行を信用していない


という背景があると思います。
(この辺は、
最近はだいぶ変わってます)


なので、みんな、
金(きん=ゴールド)や
装飾品を買ったり、


はたまた米ドルに換金して
タンス貯金したりしました。


そして、お金を融通し合う文化。
家族・親戚・親しい友達で、
お金の貸し借りは普通のことです。


日本人なら、家族はともかく、
友達にお金を貸すのは
よっぽどのことかな、
と思いますが、


ベトナムの人は、
少し仲が良くなると、
気軽にお金の貸し借りを
しています。


私は日本に住む
ベトナム人留学生に
知り合いが多いですが、


みんな、お金を融通し合って
進学するための学費を払ったり、


住居のない友達を
いつまでも泊めてあげたり、


お金がなければ
ご飯も食べさせてあげたり。


すごい親切だな!
と感心するレベルです。


そうやってそれぞれ
セイフティネットを
自分で作っているんですね。


人に親切にしてあげれば、
いつか自分が困ったときも
助けてもらえる。


・・・そんな背景があって、
まとまったお金を
作れるようになってます。


それでバイクも買えるわけですが、
バイクの価値があまり下がらない
ということも、


人々がバイクを
買う理由のひとつです。


さっき、中古のスーパーカブが
1500ドルと言いましたが、


中古でもそのくらいの価値を
キープしているんですね。


新品なら、当時2000ドル位
だったと思います。


なので、資産を持つ意味合いで
バイクを買うんですね。


ベトナムには
「上に政策あれば、下に対策あり」
(Trên có chính sách thì dưới có đối sách
=チェン コー チン サッ ティ 
ズオイ コー ドイ サッ)

というコトワザがあります。


元々は中国のコトワザのようです。
お上が色々な政策を押し付けてきても、
下々の民は知恵をしぼって、
したたかに対応する。


当時はベトナムは
本当に貧乏だったと思います。


アジア通貨危機の
影響もあって経済不況で、
みんな荒んでいた。


外国人は金持っているんだろうと
嫉妬されたからなのか、


道を歩いていたら突然、
知らない人からレンガを
投げつけられたりしました。


いろんな意味で痛かったです(泣)。


それでも、
道路はバイクであふれてました。


どんな状況でも工夫をすれば、
個人の経済状況は変えられるんだな、
と思わされます。


色々ありますが、
ベトナム人のしたたかさと
行動力は、ホントすごい。


見習えないけれど、
100分の1くらいは、
見習いたいです。


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今日のレッスン♪

「上に政策あれば、下に対策あり」。
厳しい環境でも、工夫次第で
経済状況は変えられるらしい

・・・と、ベトナムの人を
見ていると、わかる。

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いかがだったでしょうか?

また明日!
今日も素敵な一日を♪


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