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君たちとの、あれこれ

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息子たちとの出会い。 息子たちとのあれこれは私の中の奥の方を容赦なく引っ掻き回し、私という人間を生かしてくれた。 *時系列はバラバラです。その時心に浮かんだ記憶と想いを、ありの… もっと読む
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2020年4月の記事一覧

「ありがたいことは、あたりまえじゃないの?」

「ありがたいことは、あたりまえじゃないの?」

「当たり前だと思わないでね!」

母は、この台詞がお気に入りだった。
ご飯があること。お家があること。学校に行けること。
全てがありがたいことであり、心の底から感謝すべきだといつも口を酸っぱくして私たちに話していた。母の生家は、時代もあるのだろうが、とても貧しかった。まだ幼かった母を柱に縛り付けて農作業をしなければ、生きていけないほどに。

ご飯を残すことは、絶対に許されなかった。それはどんな場合

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【子どもたちの今】

【子どもたちの今】

 昨夜、長男が泣いた。彼が声を上げて泣くところを見るのは、随分と久しぶりだった。私にできるのは、彼の背中を擦り続けることだけだった。
「悔しいね」
 そう言いながら、抱きしめることだけだった。

*

 コロナの影響で、また公式試合が一つ潰れた。その試合を、息子はとても楽しみにしていた。その試合に勝てば県大会がある。勝ち上がれたものだけが挑戦できるステージがある。県大会で結果を残すこと。それが彼ら

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「そんなこと」なんかじゃない。

例の感染症の影響に伴い、学校がGW明けまで休校になった。プール授業もなくなって、長男の小学校生活最後の運動会さえも、何が何だか分からないうちに煙のように消えてしまった。

走るのが好きで、泳ぐのが好きで、とにかく運動が好きで。何よりバスケが好きで。それなのにもう1か月以上まともにバスケをしていない。庭のゴールでひたすら練習しているけれど、一人で打ち込むシュート練習だけでは単調過ぎて物足りないらしい

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