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「戸籍名変更の申し立てなのですが」と家裁の受付で告げたぼくの声は、低くこわばっていた。自…
その日、22時くらいだったろうか、仕事を切り上げてリビングの扉を開くと、夫がソファの上でだ…
派手になりたかったわけじゃない。ただ純粋に、そして切実に、心と身体の齟齬を取っ払おうと、…
あなたが再び出社するようになって、少し経ちますね。朝あなたが座っているとついついほっとし…
ライター1年目、文才がないとずっと自分を責め続けていた。右も左もわからないままライターに…
昨夜は満月。 だからといって特別なことはしないけれど。 友達との会話で得たものが…
頭上より遠く先に、光がぼんやりと揺れている。 酸素が薄く、視界の悪いここに、いつからいたのだろう。 不思議ね、自分の意志で決めて進んでいいのに、みんな同じ方へ列を作って流れていく。 倒れた人に手を差し伸べる者はいない。 足を引き摺り歩く老人を見て、可哀そうと足を止めた子どもに親が、私たちに出来ることは何もないと、お医者さんに任せればいいと、子どもの手を強く引き、急ぎ足で進んで行く。 流れから右に大きくそれて歩き出した中年者に、冷ややかに陰口を続ける中年者と、指を差し馬鹿笑いを
先日、7年前に亡くなった母の誕生日を迎えた。生きていれば57歳。でも、もうこの世にいないか…