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海のことば、空のいろ

少し深めのエッセイ。創作にまつわるエピソード。時々、小説。 海の傍で生きてきた私のなかにある、たくさんの“いろ”と“ことば”たち。より自然体で紡いでいけたら、と思います。
いつもより深めのエッセイ、創作インスピレーション、創作小説等を月4本以上、ランダムにお届けします。… もっと詳しく
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#記憶

【新しい記憶の欠片〜降り積もる音の連なり】

「滝を見に行きたい」 そう言い出したのは、私だった。相方は、すんなりとそれに乗ってくれた…

碧月はる
1年前
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【そのことを忘れそうになった夜には】

記憶の糸は、自身が意図しない形であちらこちらにつながっている。良い記憶も、悪い記憶も、な…

碧月はる
1年前
38

【連なる記憶に守られ、悪夢はやがて彼方へと消え去る】

穏やかな年明けを迎えた2022年。しかし、その直後に大きな修羅場が待ち構えていた。思わず書き…

碧月はる
2年前
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「無理矢理されたのまで律儀にカウントしてんじゃねえよ」

「触ってもいい?」  切羽詰まった様子でそう言った彼は、私の答えを聞く気なんてないみたい…

200
碧月はる
3年前
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秋空の下、想いごと。

「きょうね、おやすみしたいの」 我が家の息子たちは、集団生活があまり得意ではない。長男も…

200
碧月はる
3年前
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”まだら模様”を抱えて。

「大丈夫」と「大丈夫じゃない」の狭間で、随分長いこともがいているような気がする。 「大丈…

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碧月はる
3年前
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それさえ叶えてくれたら、もう他には、何も要らないから。

「お母さん、覚えてないの?」 「おかあさん、わすれんぼうだなぁ」 長男の声は、不安そうだった。ちびの声は、面白がっているようだった。違和感を感じとる力は、年齢のこともあってか長男のほうがはるかに鋭い。 記憶の蓋が開く。脳内に流れ込んでくるビジョンが、全て私の作り上げた妄想ならいい。あれが現実だと証明されてしまっても、私は正気を保てるだろうか。振り子のように心が揺れる。数日後に控えている精神科の診療日が、どうにも恐ろしい。 * 今日はプライベートでとても嬉しいことがあっ

有料
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離しても離しても繋がるものと、二度と出会えない手のひら。

からからに乾いた田んぼに水が張られ、青々とした苗が植え付けられる。その苗がぐんぐんと育ち…

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碧月はる
3年前
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Always

Bon Joviの曲が低音量で流れている。聞き慣れた旋律が、聴覚を通して私の体内に流れ込む。 そ…

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碧月はる
3年前
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悪意

悪意は、いつ生まれるのだろう。 人は誰しも、生まれた瞬間は無垢だ。母親の胎内で命を育まれ…

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碧月はる
4年前
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愛することと傷付けることは、セットにしてはいけない。

函館の冬は寒い。顔が凍みつくような風の冷たさに、地元の冬はまだまだ温かい方だったのだと思…

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碧月はる
4年前
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