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海のことば、空のいろ

少し深めのエッセイ。創作にまつわるエピソード。時々、小説。 海の傍で生きてきた私のなかにある、たくさんの“いろ”と“ことば”たち。より自然体で紡いでいけたら、と思います。
いつもより深めのエッセイ、創作インスピレーション、創作小説等を月4本以上、ランダムにお届けします。…
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#育児

【君たちが教えてくれたこと~変えられない針の行方】

この手を離したくないと、何度願ったかわからない。まだまだ小さくて、でも、きっとすぐに私を…

碧月はる
1年前
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【今の私にできる、最大限の】

「お母さんのことすきな人ー?」 ちびが、青空に向かって声を張る。自分が出した質問に、自ら…

碧月はる
2年前
39

【巻き戻せないと知っているから】

色褪せた紫陽花が鬱蒼と立ち並ぶ林道を、虫網を振り回しながらちびが駆けていく。トンボだ蝉だ…

碧月はる
3年前
35

【ラブレター】

夏の昼間の海に足を伸ばすようになったのは、子どもが生まれてからのことだ。夏の昼間の海は暑…

碧月はる
3年前
43

【恐れと共に抱く】

生きてさえいてくれたら、それだけでいい。息子たちが新生児の頃、毎日そう思っていた。その気…

碧月はる
3年前
48

【私が愛しているもの】

関東では桜も散りはじめ、新しい年度が幕を開けた。明るいお日さまの光が窓辺から差し込んでく…

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碧月はる
3年前
36

【分岐点】

この数日、ずっと悩んでいた。身体が引きちぎれそうなほど、真逆の選択肢の狭間でうんうんと唸っていた。

【今思うのは一つだけ】

 大丈夫。まだ、大丈夫。  軋む音は耳を塞いで、霞む視界はこじ開けて、痛む頭は強く揉んで…

碧月はる
3年前
42

【例え今すぐ、届かなくても】

「おかあさんと、いたいな」

碧月はる
3年前
66

秋空の下、想いごと。

「きょうね、おやすみしたいの」 我が家の息子たちは、集団生活があまり得意ではない。長男も…

200
碧月はる
3年前
31

君が紡ぐ物語

「ねぇ、おかあさん。め、つぶって?」 ちびがわくわく顔でそう言った。言われるままに目を閉…

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碧月はる
3年前
35

苦しいものを背負わせるために産んだんじゃない。

「その薬は、お母さんを元気にしてくれる薬なの?」 純粋な疑問をまっすぐにぶつけられたとき…

200
碧月はる
3年前
38

「大丈夫です」という人が、みんな”大丈夫”なわけじゃない。

「大丈夫です」 そう言って力なく笑う彼女の顔が、昔の自分と重なった。その言葉の裏側が透け…

200
碧月はる
4年前
61

風を切る君の横顔に、もう何度目かの恋をする。

この記事は、エッセイ部分を全て無料で読めます。ぜひ最後まで読んで頂けたらと思います。 走っていた。毎日、息が上がるほどに走り続けていた。理由はたった一つ、最愛の息子を死なせないため。 長男は、非常に活発な子どもだった。寝返りで部屋の端から端まで転がり続け、つたい歩きの時期はとても短く、歩き始めたと思ったら走り出していた。走れるようになった彼は、いつも風のように走っていた。 お母さんと小さな子どもが、手を繋いでてくてくと歩く。よく見かけるそんな光景に憧れがあった。歩きなが