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タイタニックを見て友情と愛情に包まれたんだ…

『タイタニック』

 今日も映画界に燦然と輝き、不動の人気と地位を築き上げているまさに名画中の名画である。

 堅苦しいことは言いません。正直に、見たことがない人は見ましょう。損はさせません。
 私の名前のドーソンも、作中に登場するジャック・ドーソンからきていますそのくらい好き。

タイタニック号と私の出会いとこれまで


 中学生の頃、地上波の、BSだったかな、タイタニック放送のCMを見て録画し、誘ってくれた母には感謝しかありません。
 「あー、あの船が沈む悲しい映画ね〜まぁ実績解除しとくか〜」
くらいの軽い気持ちで見始めたのですが、もう見終わった後にはたくさんの種類の感情で胸がいっぱいに…
 予算かけまくった豪華な船、煌びやかな舞台はもちろん、ストーリーもとても濃い。
 船に乗っている2泊であまりにも物語がしっかりと盛り上がっている。
 巨大な船の沈没という恐ろしく大きな出来事の内部で起こる小さな人間一人一人の交流や生き様。
 ローズとジャックの燃えるような人生で一度の恋。

 何てこった…こいつはすごい。いろんな人に見せなきゃ…
 こんなにも世界中で見られてる映画もないのに、そんな使命感に駆られ、
 「え、タイタニックみてなあい〜」
 という友人に出会う度に自室に招いては見せることを繰り返して、気が向いたら1人でも見て。
 人生で見た映画の中でも1、2位の鑑賞回数を誇ってると思います。
 一番はルパンVS人造人間マモーです。ばーちゃんちで一生録画してあるので帰省のたびに見ていました。

私とあの子と映画


 ところで、皆さんには映画をみっちり一緒に見る友達はいますか?ただ一緒に映画を共有するだけではありません。みっっちり一緒に見るのです。
 随時各々の感想を言い合い、見終わった後も、なんなら数日立った後もお互いの意見をぶつけるような友達です。
 私にはいます☺️ ありがてえこと☺️

 その子の頭の中も口から出てくる言葉も私の予想を遥かに超えていて、出会って約十年が経ちますが、未だに私は彼女に興味津々です。
 彼女は『死刑に至る病』を鑑賞した後、阿部サダヲ扮する殺人鬼に対する自論を電話越しに約二時間語り続けていました。

 何時間も彼女と電話をしながら、AmazonプライムやNetflixを駆使し二人だけの映画祭を開催するのが私は大好きなのですが、そんな彼女がまさか
『タイタニック観てない側の人間』だったのです。
 嘘だろ…

私はかつて勝手に感じていた使命感と、そして彼女の口から飛び出るタイタニックの感想への興味でいっぱいになり。
半ば強引に彼女とAmazonプライムでタイタニックをレンタル。

ついに、彼女の人生初タイタニックの瞬間に立ち会うことに成功しました。

さてどんな感想が飛び出すか。

以下 多少のネタバレを含みますう

let's 初タイタニック 乗船


 映画冒頭。
 船の豪華絢爛さ、主人公ローズの他人に縛られた窮屈な現在を描く前半のシーン、若かりし頃の圧倒的な美貌で脂ノリノリディカプリオ様、ジャック・ドーソンとの出会い。
 後半。
 船が沈んでいき、それを通じて表現される命の儚さ、生きるということ、人間たちの混沌。
 ラスト。
 生き残ったローズの歩んできた人生の軌跡。どのパートも圧倒的な映像美と練り上げられた脚本でいつも通りの大満足感。

と、思っていたところ。

それまでいつものように楽しそうに茶々を入れたり意見を言っていたりした友人が、船が沈み始めたシーンから全く話さなくなったのです。
 あまりに静まり返ったので、電話が切れてしまったのかと確認したほどでした。

 それでも映画は続きます。

 歳をとったローズが船を降りた後に自分の人生を自分の力で切り開き、生きられる様になったことの象徴である、たくさんの幸せそうな彼女の写真が映し出されるシーン。
 船と共に沈んでしまった人々、ジャックと若い頃のローズが再会し、皆に祝福される最高のラストシーン。
 もうクラマックスもクライマックス。
 まだシーンとしている電話の向こう。
 ……だんだん不安になってきました。
 あ、もしかして夜も遅いし、寝ちゃったのかな、まぁ、この名作で寝るなんて信じ難いけど、三時間くらいある長い映画だし、まぁしょうがないか。。

少し寂しい気持ちになりながらスタッフロールを眺めていると、突然電話の向こうから

「……ティッシュ二枚分くらい泣いたわ涙」
と、友人のちょっぴり涙ぐんだ声が。
私もその時嬉しくてなんだか泣きそうでした。

 自分の好きなものを友人もいいと思ってくれたこと、友人が素直にいいと思ったものに涙を流せること。
そしてタイタニックがやはり良すぎること。
これら全てのことが嬉しくて、胸がいっぱいでした。

 ジャックドーソンの素晴らしさを語ってくれている友人の声を聞きながら、私はこの子と映画をまた絶対に見たいな、と今までにない幸福感に包まれていました。

数ヶ月たった今も、彼女は時折ジャックドーソンがもたらしたローズの人生への影響や彼の偉大さを話してくれます。



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