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人生って、出会う人で 変わるものなんだね

出会いって
偶然なのか?
必然なのか?


わたしはかつて
愛した人から逃げた

ふたりで夢を追っていた時は
お互いにになくてはならない人だった

美容学校で出会って
いつか ふたりで
小さな美容室出来るといいねと夢みて

ふたりの夢が実現したのに
いつの頃からか
ふたりの間に溝ができていた

彼は安らぎを他の人に求めた
わたしはそれを知らないふりをした

知らないふりをしているのを
彼は気づいていた

彼は時々、その苛立ちを
わたしに向けた

わたしにどうしろと言うのだろう

彼はわたしに何を求めて
わたしは彼にどうして欲しいのだろう

彼の怒りはいつからか
暴力になった

彼はそうする事でしか
心の中のモヤモヤを晴らせなかったのかもしれない

これ以上、彼を苦しめたくない
私が傷つくより辛かった

わたしは簡単な荷物を持って
指輪を置いて
彼と暮らした部屋をでた

行くあてもないのに

東京観光
した事なかったなーと思い
はとバスに乗った


家族連れとか
友だちとか
恋人同士?
ひとりで来てる人もいた

色々考えると辛くなるので
頭を空っぽにして観光を進めた

皇居を歩いていた時
ひとりのカメラ男子が話しかけてきた

「こんにちは、一緒に話しながら行きませんか?」

『えっ?』

「ひとりより、ふたりの方が楽しいかなぁと思って」

わたしより、ずいぶん年下そうな彼
わたしが使っていたカメラを持ってた
それだけで
警戒心は消えた

『えぇ、イイですよ、学生さん?』

「はい、卒業の記念に
 はとバスでも!と思って」

『わたしも、長い事住んでるのに
 一回ぐらい行っとこうかと思って』

「意外と新鮮ですよね」

「説明聞いて、そうなんだぁと思ったりして?」

『そーそー、そう思ってた』

自然と笑顔になってた

 
「良かった」

『えっ?なにが?』

「笑ってくれて」

『わたし、怖い顔してた?』

「ちょっと…」
 
「それで、声掛けてみようかと思って」

『ありがとう 声かけてくれて』
 
『わたしも写真撮るのが好きで
 君と同じカメラだよ』

「そーなんですね」

『カメラ好きに悪い人はいない』

「悪い人もいますよ、僕はイイ人ですけど」


2人で笑った

笑える自分がいる事におどろいた

長い間、こうして笑っていなかった

その日、一日中カメラ男子と過ごした
彼は
すごく不思議

気を使わない
敬語になったり、タメ口なったり
なんだけど、
違和感なく
心地よくおしゃべりできてる

わたしは、年下の人との会話が
苦手だった
気を使われてる?のが見えて
どこかで
そのライン超えちゃいけないんだよね
と思って、近づけないでいた

この彼はそれがない

ふと、年が離れてても
友だちってなれるものかな?
と思った

「オレたち、友だちになりましょう」

と彼は言った

「連絡先交換しましょう」

わたしは、ちょっとびっくりした顔をして

『そーだね、交換しよう』
『君、テレパシー使える?』

「実は、宇宙人なんです」

笑いながら、交換した


それから、彼は東京で就職

わたしは、昔、暮らしたことのある街の
美容室で働いている

初めて、会ってから3年
今でも、彼は良き友で
お互いの事を相談したりしている

たまに、同じカメラを持って旅もする

あんまり仲良すぎて
彼の彼女がやきもち焼いたりしてるらしい

彼とは性別を超えた友だち
彼に会えなかったら
わたしはどうなっていたんだろう

そーいえば
元旦那とも
今は、普通に連絡取り合ってる

カメラ男子に会ってから

わたしの中の硬いところが
溶けて、柔らかくなったらしい


人生って
会う人で
こんなにも変わるものなんだね

幸せに生きる
この人生を

今日も一日がんばろう


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