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親が思うより子はたくましい
「次のダンスは一人で電車に乗ってみたい」。
娘自ら宣言したのは、前回のダンスレッスンの日だった。スタジオの最寄り駅の階段を下りたところから、問題なく一人で教室まで行けたのが嬉しかったのだろう。
家の近くの駅からスタジオまでは1駅。時間にして、わずか5分程度である。とはいえ、今まで私にべったりだった娘にとっては十分な大冒険なのだ。
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「違う電車に乗っちゃいそうで不安」という本人の希望で、自宅近くの駅のホームまでは付き添うことに。だけど、いつもの電車が見えてきたら「もう、一人で行ける」と、あっけなく親の役目は終了した。
私は、せっかくの挑戦を邪魔しないよう、本人には内緒で、同じ電車の別の車両に乗った。時間をずらしても良いのだけれど、それだと15分間ホームで時間をつぶさなければならないので「やむを得ず」だ。
目的の駅に到着して娘の姿を探す。見つけたのは、私のそばにいるときとは違う、たくましい背中だった。
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帰りは、レッスンが終わる頃にスタジオまで迎えに行った。いつもよりも、娘の表情やダンスに力強さを感じるのは気のせいだろうか。帰り道「一人で電車、楽しかった」と話す彼女の顔は、自信に満ちていた。
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私は思う。家から一人でダンスレッスンに行って帰ってくる日も、そう遠くはなさそうだと。想像すると、ちょっぴりさみしい。いや、かなりさみしいかも。親の付き添いが必要なくなったとき、私はどうやって過ごそうか。変化し続ける親子の距離は、いつも考える機会をくれる。
完全に一人で行くようになったら、家族と連絡が取れるツールがあったほうが、お互いに安心だよね
そう思ってキッズケータイをネットで調べながら、私は少しずつ子離れするための準備を進めている。
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