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その物音が、視線が、ため息が

寝不足は良くない。

窓側を向いてても、自分の背中に誰かの視線が突き刺さってくるような感じがするのも、寝不足のせい。

食器のガチャガチャいう音や、ドアの閉まる音、足音が、頭を締め付けるように響いてくるのも、寝不足のせい。

ただのため息(呼吸)や独り言、笑い声が、自分に対する非難に聞こえてくるのも、寝不足のせい。

外ではなるべく、人との会話を避け、誰とも目を合わせないように斜め上や斜め下を見ながら歩く。

寝不足の時に人と触れ合うと、いつも以上に自分をすり減らしてしまう。

何もしたくない。

でも、本当に何もしないでいると、「ここに居ていい」感が薄れていって、余計不安になる。

自分への非難を聞きたくなくて、大きな物音に怯えたくなくて、そのために多少の目眩や腹痛は我慢して、ちゃんとする。

でも、それでもどうしても"できないこと"はある。

そのひとつのことのせいで、どんなに自分の中で無理をしても、許されない気持ちが消えない。

朝も夜も怖い…

いつ、ここに居られなくなる日が来るのか、それを宣告されるのかと思うと怖い。

「できなくてもここに居ていい」っていう安心が何よりもほしい。

疲れて、痛くて、横になった。

枕に頭を乗せた瞬間、頭がぐるぐるするような、気持ち悪さを感じた。

大きな物音が頭に響くから、布団を被ってみても、それを通り越して耳の奥に届く。

"できない"から目を背けて、全然違うことを無理して頑張って、そうやって逃げながらもここにいる最低な私を許さない音、声、視線のすべてが、どこに隠れても追いかけてくる。


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