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【おススメ映画#1】ビューティフル・マインド

『ビューティフル・マインド』(A Beautiful Mind)

こころの病。

介護の仕事をしていると、
自分とは違う世界観を見ている方々と出会う機会がある。

以前私がいた介護施設には、70人前後の
高齢者の方や、障がい者の方々が住んでた。
1人1人に個室があるけれど、お風呂や食事の場所はみんなで共用。
1人暮らしと集団生活の中間のような生活空間。
決まった時間になると、
ヘルパーや看護師が予定通りに入居者のお部屋を訪ね、
介護サービスや医療サービスを提供する。
そんな施設が、同じ会社運営でいくつかあって、人手が足りないときには別の施設に日勤や夜勤で応援に行った。

そのなかで、関わりの深い浅いはあるけれど、
2年間という限られた介護現場での経験で、
100人、200人という人数の方々にお会いできた。

入居者の世界観に触れるのは、日々新鮮だった。
そもそも、育った時代が違う。
お会いした最高齢の方で、102歳だった。
大正生まれ。
子育て真っ只中の時代に戦争を経験し、
戦後の復興とともにあった世代。

それに加え、認知症の方もいらっしゃる。
いずれ誰にでも起こり得る症状だけれど、
相手に見えている世界と自分の見ている世界が違うことを実感する。

また、加齢による症状とは別で、
統合失調症やうつ等、
精神的な症状を持つ方もいらっしゃった。

人間は、理解できないものに対して、
恐怖や嫌悪を抱く。
そして、夢破れ続けることに怒りを膨らませる。

私も最初は怖かった。
訳分からないところで怒られるし、
在りもしないものがそこにあると必死に訴えられるし。

だけど、毎日向き合っていると、
不思議でしかたなくなってきた。

「なんでそんなこと言うんだろう」
「なんでそんなに悲しんでるんだろう」
「なんでそんなに笑ってるんだろう」

この比喩が合っているのかは分からないけれど、
海外に留学した気分。
異文化交流のような気持ちになった。

そんなときに映画を観た。
自分と大きく異なる世界観を、自力で想像することはできない。
だけど、映画なら、あの人に少しだけ近い世界を見ることができるんじゃないかって。
そんな気持ちで映画を観た。

『ビューティフル・マインド』(A Beautiful Mind)
2001年のアメリカの映画。
天才数学者の人生を描いた物語。

一見、介護とはなんの繋がりはないように見えるんだけれど、
私はこれを観てから、見え方が変わった利用者の方がいた。
是非みてほしいな。

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