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PLAN75と安楽死について

「PLAN75」YouTubeにも感想が沢山上がっていますね。
凱旋舞台挨拶で早川千絵監督がおっしゃっているように余白を残している映画なので観た方によって、それぞれ違う感想が出ると思います。
以下ネタバレがありますので、まだ観てない方はスルーをお願いします。
私は最後のシーンで主人公のミチが安楽死から逃れて夕日を眺める場面にそれ程希望が感じられなかったというか、アパートを引き払って来ているわけだから、その晩から住む所に困るんでないの?とか余計な心配をしてしまいました。仕事もまだ見つかってないわけだし・・・
大体、仕事が出来るくらい元気な老人はPLAN75なんて選ぶべきではないのです。
難病に罹って寝たきりで、将来快復するあてもない人にこそ安楽死法は有効なのではないでしょうか?日本では尊厳死は認められていますが安楽死はまだです。尊厳死は延命措置をしないというだけで積極的に死なせてはくれません。それで、高いお金を払ってスイスまで安楽死しに行く方まで出ていらっしゃるんです。そんな手続きのやり方さえ分からない一般庶民はいったいどうしたらいいのでしょうか?ただ周りに迷惑をかけながら死を待つなんて辛すぎるので、私は安楽死法(PLAN75)に賛成です。
でも、この映画はちょっと違うんじゃないの?病気になってもいない孤独なお年寄りが自殺願望でPLAN75を選ぶとすれば、社会はすさんでヒロムや瑤子などの善意の若者たちを戸惑わせる事になるのでは?
そんなPLANは要りません。

以上、監督のもくろみ通り、いろいろ考えさせる事の多い映画でした。
ところで、どうやって安楽死させるのかが曖昧で分かりづらかったです。
酸素吸入器をつけさせられていたけど、スイスの安楽死は注射でしたね。
いずれにせよ、一番苦しまない方法で死なせて欲しいです。


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