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W-up列でやるか、円でやるかそれが問題だ!!<後編>

前編ではウォーミングアップの型3つの方法ついてお話しました。

後編では、ウォーミングアップをデザインする上で大切なことを、僕が実際に試合前に行なっているメニューに即してお話ししていきたいと思います。

⚫️目的

まず始めにウォーミングアップの目的は
「パフォーマンスを最大化するために精神的、肉体的に準備をする」
事です。

その目的を達成するためには、ウォーミングアップの生理学的効果を知り、それに即してエクササイズを行っていく必要があります。

⚫️効果


ウォーミングアップの生理学的効果は


・エネルギー代謝とフィラメント滑走の摩擦による筋温の上昇:組織の粘度を減少させることによって、可動域を改善する。
・温められた筋は、冷たい筋より多くの筋繊維を動員し、高速での収縮を可能にする。
・ヘモグロビンは体温が高いときにより多くの酸素を供給するので、より多くの酸素―二酸化酸素変換が可能になる。
・筋の柔軟性が増すことにより筋損傷が減少し遅発性筋痛が減少する。
・ストレスや不安感、および緊張を減少させ、集中力や注意力などの心理的効果を高める。

などある。

その効果を得るためにウォーミングアッププログラムに、この8つが組み込まれていることを、チェックする必要があります。


その8つは 

核心温の上昇 

動作の準備と柔軟性 

加速減速および方向転換 

✅個々人に特有の準備 

✅ポジション特有の準備 

✅スキルの反復 

✅チームとしての準備と模擬試合です。
この8つのうち何点かは、トレーナーやフィジカルコーチが行うのではなく、コーチや監督が行なっていくものも含まれます。

難しい言葉で効果などを説明していきましたが、簡単に言ってしまえば生理学的な効果を得るために、

身体を温めて、ストレッチをして、素早く動けるようにし、競技スキルを反映することが大切です。

⚫️アップの組み立て

ここから僕が実際に行なっている試合前アップに即して話していきます。
まずは前編でもお話ししましたが、アップを組み立てる上でまず考える事は、アップをする人数です。僕のチームでは、公式戦でもアップは、チーム全員(20~25人)で行う事が多い。
なので列型を選択し、縦3列で行います。

◾️オーガナイズ

次にオーガナイズを決定します。
列型では、オーガナイズを適当に決めてしまうと停滞が起こったり、選手同士がぶつかったりしてしまい、スムーズにアップを行う事ができなかったりするので、縦や横を何mにするかなど細部にこだわる必要があります。

僕のアップをするときのオーガナイズはこうです。

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横の間隔が1m狭い、縦が1m狭いそんな些細なことで、アップがスムーズにならなくなってしまうので、列型の時には特に注意が必要です。

◼️メニュー

次にメニューの紹介です。列型は行きと帰りでメニューを変える事で、多くの要素を刺激できるので、列型でアップをプログラムする時は行きと帰りに分けてエクササイズを配置しましょう。

僕のメニューは
1 行き ジョグ  帰り ジョグ
2 行き ジョグ+腕振り  帰り ジョグ+腕振り
3 行き サイドステップ  帰り サイドステップ
4 行き カリオカ  帰り カリオカ
5 行き スキップ  帰り バックスキップ
6 行き スキップハイ  帰り スキップハイ 



7 行き ランジウィズハム  帰り Rランジウィズリーチングアップ
8 行き ランジウィズツイスト 帰り ウォーキングクワド
9 行き ニーハグ  帰り ヒップストレッチ
10 行き トイソルジャー  帰り バックキック
11 行き レッグサークル内→外 帰り レッグサークル外→内

12 8割ダッシュ  →③
13 全力ダッシュ  →②
14 前後ターン     →①→⓪→②
15 横向きターン  →①→⓪→②


16 ジャンプ3回 ダッシュ 好きな◯◯、3つ言いながら 
17 リアクションドリル 攻
18 リアクションドリル 守


19 ミラードリル 攻
20 ミラードリル 守


21 全力ダッシュ    


のような感じで所要時間は10~15分くらいです。

◼️目的

メニューの目的としては


1~6 ✅核心温の上昇と神経系の刺激 

ジョグさせるだけでも、核心温を上昇させる事は可能ですが、サイドステップやスキップを混ぜるだけで神経系への刺激も同時に入れる事ができるので、効率がよいです。

※行き→③帰り→⓪

7~11 ✅動作の準備と柔軟性

静的ストレッチはパフォーマンスを下げる可能性があります。
もちろん下げないという報告もありますが、パフォーマンスが下がる可能性が少しでもあるなら避けるに越した事はないので、メニューから外しています。
また静的ストレッチを行うと、動きを止める事になるので、ダイナミックストレッチやアクティブストレッチを取り入れ動きながら行い、列型のスムーズにアップを行うメリットを最大限に利用しています。
またランジ等を入れる事で筋肉への刺激を狙っています。

※行き→②帰り→⓪

12~15 ✅加速減速、および方向転換

 サッカー特有の加速、減速、方向転換へ刺激を入れている。

16~21 ✅サッカーの相手への反応を刺激し、二人組で行う事でチームの雰囲気をよくする事を目的にしています。

試合前のアップでは身体の準備だけでなく、心の準備を行うことも大切です。
なので、16では好きなサッカー選手3人 メッシ、クリロナ、ネイマールなど選手に声を出させながらジャンプ3回しダッシュをやらせています。声を出す事で気持ちを高めさせたり、チームメイトの面白回答で笑いが起こったりとチームの雰囲気が良くなったり良い効果があるように感じています。 

※行き→②帰り普通に戻る

試合前でのアップでは、動きをゆっくりから速くなるように、徐々にテンポが上がるように、エクササイズの順番を組み立てていく事が大切です。
そうすることで実際の競技の素早い動きに入りやすくなり、心理学的にも気持ちを高める事ができます。
その意味でもオーガナイズで停滞が起こらないようにする事は超重要です。

⚫️まとめ

僕が試合前にやるウォーミングアップに即しながら効果や組み立て方をお話ししていきました。

試合前のウォーミングアップでは生理学的効果を得るために

✅身体を暖める

✅ストレッチをする

✅素早く動けるようにする

✅競技スキルを反映させる

事を組み込み、限られた時間で効率よく効果的にアップが行われるように、エクササイズの配置、オーガナイズなど細部にこだわる事が大切です。


編集後記

前編が思ったよりも読まれてびっくりでした、、、さらにコメントなどもらえるととても嬉しいものですね、、、これからも頑張って書いていこうと思います

参考

ハイパフォーマンスの科学−トップアスリートをめざすトレーニングガイド− https://www.amazon.co.jp/dp/4905168457/ref=cm_sw_r_cp_api_i_YoqYDb3WNKVHN


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Miyawaki/フィジカルコーチ
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