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"オトナのため"らしい文章教室のいま

先週も少し書きましたけど、6月末から「オトナのための文章教室」を再開した。3月末以来、3ヶ月ぶり。

止まっていたのは、例のウイルス騒動のせい? それはもちろんあります。あと、ぼくはこの3ヶ月、『音を聴くひと』を完成させて出すことに集中していたんです、と言ってもいい。両方ある。

まずは6/27(土)の朝、横浜の開港記念会館の会議室でやり、その1週間後の7/4(土)には、鎌倉のゲストハウス彩(イロドリ)の一室でもやった。

とても、よい時間になった、と思う。

いろいろと課題も見えた。参加者それぞれの課題も、ですけど、文章教室をひらいている自分自身の課題も。

いまは、イベントのようにして大勢で集まろうという企画は立てづらいと思っています。とにかく少人数(定員5名ということにしました)で、ゆっくり、じっくり、それを、ちょこまかとやってゆこうという考えに落ち着いてきています。

そもそもこの文章教室には、そんなに大勢から申し込みが来たことはない。たまに、ぽつ、ぽつと「参加したい」という連絡が来ます。そうやって来られる方は、高い確率で、この文章教室が"呼んだ"ような方で、いい出会いになる(はずだ)。

さて、この2回は、あえて同じテーマ設定でやった。

テーマと言っても、あってないようなテーマで、「いま書きたいこと」

昨年の秋に横浜で再開して以降は、毎回、「わからない」とか「待つ」とか「幼年時代」とか「"(僕)は自分の家を平均的な家庭だと認識していた。" を最初の一文にして、その続きを書く」とか「音を書く」とか、そういったことを(いちおうの)テーマにしていた。

今年の1月には、「待つ」をテーマにやった時のことを少し書いている。

でも今回はあえてそういうテーマは掲げなかった。

この激動の3ヶ月を経て、「どうしてました?」を話したい(読みたい)という気持ちもあったから。

「久しぶりに話したかった」といった感じが、やはり、参加している方々にもあった、と思う。

集まってきた文章は、ほんとうにイロイロサマザマだ。

いまから書きたいもののメモ、自分自身と向き合うための文章、夢の情景、食文化の話、雑草をめぐるドラマ、季節の移り変わる中で感じられる匂い、会社の中でも特に地味な人の観察、旅の時間と日常の時間のスケッチ、ただ目的もなく歩くこと、そんなことから立ち現れてくる、エッセイやフィクション、箇条書きのようなものから作品の第一稿になるようなものまで。

はっきりと、「いま書きたいこと」が見えている、という人もいるし、「とりあえず何か書いてみた」という人もいる。どちらも、面白い。

と言っている自分はどちらかというと、いつも、大抵は、「とりあえず何か書いてみた」ものが何かしらの変遷を経て、何らかのまとまった文章になる──ということをあらためて考えもした。

それでぼくは7/4には、「「いま書きたいこと」なんてあるのか?」と題したエッセイを書いて行った。6/27の参加者のみなさんには、これからメールで送ろうと思っています(ご笑覧ください)。

ゲストハウス彩の、アットホームな、あたたかい雰囲気の中でやった後は、何と、ものすごく久しぶりに二次会をやった。ようは、軽く飲みに行ったわけ。

じつは数年前から、ぼくは"飲み会"というやつにウンザリしていたのでした(それまでに散々やったから?)。でも最近出会った人たちはそんな事情など知るはずもなく。あまり飲まない人というイメージもあったそうですが…(じつは大酒飲みでして云々カンヌン)。

その時、『ウェブ・アフリカ』の話をしたら、文章教室で出された文章をウェブ上で発表できる機会があれば嬉しい、といった話が出た。それ用の「本」をウェブ上につくって、載せてもOKという方のみですが、これから出してゆけたら、と考え始めました。

とはいえ、ぼくは文章教室では、純粋に「書く」と向き合っているつもりで──ということは、「作品を仕上げる」といったことには、いまのところ、あまり力を入れていない(それで物足りない人は、『アフリカ』に書いてもらうというのがいいかもしれない)。だから「発表したくはない」とか「作品を書くつもりはない」といったような人でも、遠慮せずに参加してほしい。そういう人にも、おもしろい場にしてゆきたいと思っています。

これからしばらくは、横浜・鎌倉を拠点にしてやってゆこう。三鷹の方面の方々には遠くなっておりますが…(そちらは様子を見ながら、また追々、です)。興味ある方がいらっしゃったら、遠慮なくご相談ください。

ところで、どうして「オトナのため」なの? というと、もともとは中・高校生や大学受験のひとたちとやっていたから。

「オトナのための〜」を始めてから(休んでいた期間も含めると)2年半、もう「オトナのため」なんて強調する必要はないんです。名前を変えようかな。──「ただの文章教室」というのはどうだろう?

(つづく)

先月、完成したばかりの下窪俊哉の作品集『音を聴くひと』(アフリカキカク)、のんびり発売中。

日常を旅する雑誌『アフリカ』のベスト・セレクション&モア『ウェブ・アフリカ』のvol.2(6/2020)は、メール・アドレス1本をご登録いただくだけで無料で読めます。ぜひどうぞ。


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